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コラム
塾長の考え(私大医学部受験)②
2023年3月9日
「4浪目はあり得ないから」
娘は絶望の中でそう思った。
「もう…これ以上は頑張れない」
辛うじて受かっていた私立大の入学手続き。
医学部医学科ではない。
でも、そこしか受かっていない。
娘のために母親は粛々とそれを進めていた。
娘の頑張りをずっと間近で見続けてきた。
高校卒業後さらに3年間という時間は、
もう十分なチャレンジの期間だったと思えた。
「娘はやれるだけ頑張ったんだから…」
父親も母親と同じ考え……のはずだった。
しかし、父親はまったく別のことを考えた。
まだ娘には可能性はあるのではないか、と。
ここまで来てもやっぱりあきらめられない。
必死に考え抜いた末に、
ふっと、
かつての自分の学生時代の経験を思い出した。
実はそのお父さん。
東京生まれの東京育ち。
そして進学した大学は…東京大学!
つまり都会のエリート中のエリート学生。
そして東大を卒業した後の行動は、
普通ならば大企業への就職か、
霞が関での上級公務員の道、
(いずれは官僚になる)かだった。
しかし、
そういう類ではなく実際に選択したのは、
鹿児島大学医学部医学科への進学!
まさかの再受験での医学部進学だったのだ。
それも九州の最南端!(沖縄除く)
お父さんのプランの中で過去の記憶が、
(自身の成功体験が)よみがえる。
あの時の決断が今の生活をもたらした。
その事実を踏まえた上で、
ネットで検索をし始めた。
首都圏で勝てなくても地方で勝てばいい。
医者になるには首都圏の大学でなくてもいい。
地方の大学の医学部でもかまわない!
同じことだ!、と。
ターゲットは今回は鹿児島ではなかった。
宮崎をターゲットとして考えた。
つまり、宮崎大学医学部医学科だ。
首都圏の私立大学医学部医学科から、
地方国立大学医学部医学科への変更。
発想の転換だ。
いろいろと検索して予備校や学習塾の、
ホームページをどんどんと読み込んでいった。
宮崎大学医学部医学科の入試問題に、
精通している予備校または塾があるはずだ。
受験指導に自信があるところが、
絶対に1つ以上はあるはずだ。
娘を合格させる実力があるところが、
最低でも必ず1つはあるはずだ、と信じて。
そして、とうとう見つけた。
たくさんある塾や予備校の中から、
ある塾のホームページを。
その内容を隅から隅までチェックして、
意を決して電話をかけた。
東京都千代田区から宮崎県宮崎市の塾に。
そこの責任者(塾長)と話すために。
(続く)
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