情報大洪水の時代(その20)
「先生、明日の5時(夕方)に合格発表です」
「ああ、自治医科大学ね」
「緊張します、受かっていてほしいです」
「そうだね、きっと受かっているよ3番目くらいで」
「そうなんすよ、3番か4番かで大きな違いです…」
自治医科大学は全国47都道府県から生徒を募集している。
各県から2~3人ずつ合格させる医科大学だ。
宮崎県から受験した生徒の上位4番では受からない。
3番以内でないとダメだ。
Nくんは宮崎西高校理数科の生徒。
小学生のころから成績が良くて、
当時通っていたE進館でもトップの成績だったらしい。
その塾には高校受験時までお世話になっていたとのこと。
高校受験ではラサール高校と宮崎西高校の理数科と、
ダブル合格した強者(つわもの)。
そんな彼(のお父さん)が選んだ最後の砦は北斗塾だった。
「何とか息子をお願いします!」
何度も頭を下げてお願いする姿を見ながら、
「大丈夫ですよ」
と答えたことを昨日のように思い出す。
医学部医学科に行きたい生徒は多い。
そもそも医者という職業に人気がある。
その夢を叶えてあげたいとは思うものの、
学力的に普通の生徒が高校生の途中で入塾してきても、
なかなか医学部には合格しない。
だが、「理数科」の生徒は違う。
やることなすことのすべてを恐ろしく速く理解し、
処理を進めていくときもスピードからしてまるで違う。
本当に医学部医学科に行きたいのなら、
理数科に入るくらいの学力が元々いるのかもしれない。
もしも理数科でない生徒であっても、
少なくとも私立中学受験で特待を取れた生徒ならば、
中学1年から高校3年までの6年間を指導できれば、
全員合格させるだけの学力をつける自信はある。
中学受験合格や高校受験合格を境に、
いろいろな理由をつけて塾を辞めてしまう生徒には、
(当然だが)そのようなことはできない。
(続く)