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コラム
情報大洪水の時代(その17)
2022年4月13日
「2次試験は形式だけで、皆が合格している」
「1次試験が勝負。学科試験だから」
簡単に言うと、私はお父さんからそう聞いていたのだが、
推薦入試の2次試験の合格発表では、
「不合格」
「いったいどうなっているんだ…」
事態が呑み込めないのは私だけではなかった。
生徒だけでなく、生徒のお父さんも錯乱状態になった。
後で聞いたのだが、
推薦した高校の担当の先生や関係者の人たちまでも、
全員が困惑していたらしい。
「当校としましても…、このようなケースは初めてでありまして…」
「すみません、本当にどう対処していいかまったくわからないのです…」
生徒本人もショックを受けていた。
地元国立大学医学部医学科の受験指導を中断してまで、
完全に私立大学医学部医学科の受験勉強に振り切って、
後には戻れない「不退転の決意」をして、
無謀な学習計画を進めながら(運よく?)勝ち取った、
1次試験の合格。
1次試験に受かっていたがためにショックは大きかったのだ。
1次試験合格者は2次試験でも全員合格するという、
その高校の今までの実績を覆す不合格という結果。
すべてがなくなった。
「先生、うちの子どうしたらいいんですかぁ…?」
「…」
「先生、今からでも国立大医学部受験…間に合いますよね?」
「…、すみません、今からでは間に合わないと思います」
「先生、先生…、やっぱり、そうですか…」
「何でこんなことになったのですかね…」
私の最後の言葉を聞いたかどうか定かではなかったが、
そのお父さんは立ち上がって言った。
「このままでは納得がいかない、学校に対して!!!」
(続く)
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