組織風土の善し悪しで、強い企業になれるかが決まる!
日々の業務は、名刺交換や電話対応、顧客との交渉など多岐にわたりますが、そのベースとなっているのは「コミュニケーション」です。
また企業を支えるのは人であり、その人と人をつなぐのはコミュニケーションです。
今回は、企業におけるコミュニケーションの重要性やコミュニケーションのポイントなどについてお伝えします。
経験年数と習得難易度
まず、日々の業務を細かく見てみると、2つの軸により分けることができます。1つ目の軸は経験年数で、2つ目の軸は習得難易度です。ここでいくつかの例を挙げてみましょう。
例えば…
□あいさつ
経験年数/新人社員でもできること
習得難易度/簡単
□商品説明
経験年数/若手レベルでできること
習得難易度/やや難しい
□提案書作成
経験年数/中堅社員レベルでできること
習得難易度/普通
□人材育成
経験年数/ベテラン社員レベルでできること
習得難易度/大変難しい
普段何気なく行っている業務も経験年数や習得難易度の視点から見ると、上記のように分けることができます。経験値などにより、仕事に対する難易度などは異なりますが、こういった全ての業務に共通しているのがコミュニケーションです。また、それぞれの業務などで求められるコミュニケーションの内容は異なりますが、いずれもコミュニケーションがなければ成り立ちません。
そして、日々の業務の中で、自分1人で完結できる業務はほとんどありません。多くの業務は誰かとのコミュニケーションを通して行われ、最初から最後までたった1人で仕上げられるような仕事は、非常に少ないと思います。
そのため、コミュニケーションの質によって仕事の進め方、その成果が変わってきます。ほんの些細なミスコミュニケーションであったとしても、その些細なズレはいずれ大きなズレとなり、企業全体に影響を及ぼす可能性もあります。
入社間もない新入社員と入社歴の長い社員、また同僚同士など縦横の良質なコミュニケーションが企業を支える要になります。
コミュニケーションの質が上がれば、生産性も業績も上がる
それでは、どうすればコミュニケーションの質を向上させることができるのでしょうか?
その方法について、詳しく見ていきましょう。
【「相手の立場」に立って考える】
自己中心的で相手のことを考えていない会話は、コミュニケーションとは呼べません。会話は一人でするものはないので、コミュニケーションの先には自分以外の誰かがいることを忘れないようにしましょう。以下は「相手の立場」になってコミュニケーションを取った場合の例です。
<あいさつ>
新人社員からベテランまで、みなさんに共通するコミュニケーションはあいさつです。
あなたがあいさつをする際に、「相手の立場」に立って考えると、どのような対応が適切でしょうか?
たとえば眠そうなあいさつや面倒くさそうなあいさつをしたら、相手はどう感じるでしょう。「こんな対応をされると、こちらも朝から嫌な気持ちになるな…」と思われ、不信感を持たれる可能性があります。
「相手の立場」に立って考え、相手の不快感を与えないあいさつをするためには、声のトーン・表情・言葉づかい・態度がポイントになってきます。朝はキツイ日もあるかと思いますが、相手の目を見て、明るくあいさつするようにしましょう。
<報告・連絡・相談(報連相)>
誰かに仕事の進捗状況を伝える際は、どのようなことに気を配ってコミュニケーションを取るべきでしょうか?
報告・連絡・相談は滞りなく仕事を進めるために欠かせない業務です。誰かに報告・連絡・相談を行う際は、以下のような点に注意すると、よりスムーズに進めることができます。
・伝えるタイミング
・状況を伝える回数
・伝える内容
・言葉づかい
相手が忙しいタイミングではないか。伝える内容は完結に、結論から話すようにすることが大切です。要点を得ない話は相手の大切な時間を奪ってしまうことになります。報連相を行う前に、内容をまとめ、わかりやすく伝えるようにしましょう。
緊急性の高い場合は別ですが、報連相を行うタイミングを決めて、要点をおさえた報連相を行いましょう。
報連相を聞く側・上司なども、忙しいからと先延ばしにしたり、適当に対応したりするのではなく、時間を確保して部下の話をきちんと聞くことが大切です。
<提案・交渉、ヒアリング>
部下の話を聞くときやお客さまと交渉をする際、コミュニケーションがうまくいっていないと感じたことはありますか?
そんなときは、傾聴について見直してみると良いでしょう。傾聴はコミュニケーションの基本で、相手の話を途中でさえぎったりせずに、肯定的な態度で受け止めることです。傾聴の姿勢を心がければ、相手も話しやすくなります。また、きちんと話を聞いてもらえることで、「自分のことを受け入れてくれている」と感じ良好なコミュニケーションが生まれます。
部下との報連相の場でも生かすことができますが、顧客との交渉時も顧客のニーズを引き出すためには傾聴のスキルは欠かせません。傾聴のスキルが高まれば、相手に伝える力、提案力のスキルアップにもつながります。
ビジネスにおけるコミュニケーションは、仕事を円滑に進めるための重要なツールです。相手にこちらの意図を伝え、適切に仕事を進めてもらうためにも、良好なコミュニケーションが欠かせません。
高いコミュニケーション能力は一朝一夕では身につきませんが、ほんの少しの心がけが大切で、日々、丁寧に積み重ねることで質の良いコミュニケーションが醸成されます。
一人ひとりのコミュニケーション力が上がると組織内のコミュニケーションも円滑に行えるようになり、事業の伸展にも大きく寄与します。