更年期障害に効果的な鍼灸のツボ
女性で更年期に悩まされる人は少なくありません。40代からエストロゲンが減少することで、身体が混乱し自律神経の乱れなど、さまざまな部分に不調が現れます。ピルやホルモン補充療法、漢方などで治療することができます。
更年期障害が起こる原因は?
更年期は人により程度の差はありますが、多くの人の身体に起こる症状のひとつです。
閉経する前後の期間を「更年期」と呼び、この時期には女性ホルモンの分泌がだんだんと減っていく時期です。ホルモンバランスの急激な変化によって、体調を崩したり精神的に不安定になったりするのです。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があるのですが、女性の身体に深く影響を及ぼすのがエストロゲンです。
思春期には乳房や性器の成熟を促し、排卵や月経を起こし妊娠機能に欠かすことのできない働きをしています。それだけではなく、肌にハリを与え骨に働きかけカルシウムを沈着させ骨を強くするなどもし、総合的に女性の健康を守ってくれています。
ところが、多くの女性で40代になると卵巣の働きが低下しエストロゲンの分泌が激減します。そのため、身体の中で行われていた連携が上手くいかなくなり、自律神経も乱れてしまうのです。
自律神経が乱れると体温や発汗、呼吸、脈拍などが乱れます。暑くもないのに大汗をかいたり、激しい運動もしていないのに動悸が起きたりするのは、ホルモンバランスの不具合が引き起こしているのです。
大きく分けて4つのタイプの症状が
更年期の心身のトラブルは程度の差こそあれ、多くの人に訪れるものです。月経痛に個人差があるように更年期の症状もどのように現れるかは人それぞれです。
大きく分けると、4つのタイプがあります。
まずは、身体の痛みや違和感といった直接的な自覚症状です。次は骨粗鬆症や高血圧など体内で起きる無自覚な症状です。
そして、シミやシワなどの肌の老化や体形の崩れなど美容面の症状となっています。
最後は、憂うつ感やイライラ気分の落ち込みなどの心のバランスを崩すタイプです。
一般的な治療法
閉経までの治療法としては、低用量ピルで女性ホルモンを補います。閉経後はホルモン補充療法に切り替えます。
自律神経系の不調には漢方療法も期待できます。
心理的な症状が強ければカウンセリングを併用することがあります。
東洋医学では
更年期障害は、体の力が低下してきたため様々な症状が出ると考えられています。
体の生命エネルギーを「腎の力」と呼びます。これは、「腎≠腎臓」です。腎臓の能力だけでなく、骨や髄液、髪の成長、体力等様々な働きを含むと考えてください。
腎臓の働きも含みますが、腎の力とは体の根本の力を意味します。
イライラや自律神経と深く関係しているのが、「肝」と「心」です。
心も同様に「心≠心臓」と考えてください。心臓の拍出の力も含みますが、真の働きの異常はほてりや動悸となって表れます。
「肝」はストレスと深く関係しています。こちらも「肝≠肝臓」なので、肝が不調でも肝臓の数値に異常があるとは限りません。
この「肝」「心」の力の土台になっているのが「腎の力」です。
30歳を境に「腎の力」は減少していきます。この土台の力が減少すると、「肝」「心」のコントロールが効かなくなり様々な症状が表れます。
漢方で更年期障害を緩和
ほてり、のぼせの症状には ・・・・ 双料杞菊顆粒
動悸・不眠の症状には ・・・・ 天王補心丹または心脾顆粒
抑鬱感・イライラ感には ・・・・ 逍遥丸
漢方薬は、症状は同じでも体質によって異なりますので、専門員にお尋ねください。
ツボで更年期障害をケア
ほてり、のぼせの症状には ・・・・ 三陰交・関元
動悸・不眠の症状には ・・・・ 中かん・内関
抑鬱感・イライラ感には ・・・・ 三陰交・太衝
ツボは押すのではなく温めましょう。
お勧めはツボ温灸です。
市販している乾燥小豆を使って簡単に作れます。
(作り方)
オーガニックコットンを5㎝角に切り、それを袋状に縫います。
乾燥小豆を入れ、縫い閉じます。
これを電子レンジで30秒程温めて使用します。
温度が低いと感じる方は、10秒単位で増やしてください。
このツボ温灸セットを該当するツボに置き温めます。
ツボ温灸セットは小豆が粉々になるまで繰り返し使えます。