鍼(はり)治療は、痛い?
灸(きゅう)は熱い?
お灸は、関西地方では”やいと”と呼ばれることもあります。子供の頃にいたずらをすると父母から”お灸を据える”と言われた方もいるのではないでしょうか? お灸を据えられるは、ツボにもぐさを使って高温で刺激し治療する灸を、身体に置くこが、転じて「きつく懲らしめ、戒めることを意味する表現のため、灸は、熱くて嫌っと言うイメージがあるかもしれません。
江度時代には、お灸は自分で出来るセルフケアとして行われていました。松尾芭蕉が奥の細道を旅する時に「三里に灸を据え」とあるように古くから行われ、誰でもができるセルフケアとして親しまれていたのではないでしょうか。
2017年7月8日の新聞には、 兵庫県立歴史博物館(兵庫県姫路市)と東京大史料編纂所は、豊臣秀吉が側室の茶々(淀殿)に宛てた直筆の書状を同県豊岡市出石町の民家で見つけたと発表されていました。その書状の中に”嫌いなお灸を使って病を治した茶々をねぎらう内容”が書かれたいた。このような時代でもお灸は、行われていたようです。(書状は同博物館で10月7日~11月26日に開かれる特別展で展示される予定。)
最近では、テレビのCMにみかける、”せんねん灸”のように熱くないお灸やアロマ効果のあるお灸や火を使わないお灸も発売されています。また、セルフケアを目的とした「お灸女子」といわれ人達も増えています。
そこで今回は、灸についてご紹介致します。
灸の材料は?
灸に使うもぐさの原料は、ヨモギ(オオヨモギ)で、茎の高さが50〜100㎝にもなります。また葉の表は緑色、葉の裏は白く、白色の毛(毛茸 もうじょう)が多く存在する。この毛茸が主原料です。色は、黄色い色をしています。直接皮膚に置く灸に使用します。良質のもぐさは、原料の2〜3%程度しか採れない貴重なものです。葉脈等が入ると粗雑なもぐさとなり、棒灸やその他の灸に使用されます。
灸の種類
灸には、もぐさを直接皮膚の上に乗せて着火させる”有痕灸”と、皮膚との間をあけて行い火傷しづらい”無痕灸”があります。
有痕灸は、米粒がその半分ぐらい桃の大きさや糸状に作ったもぐさを皮膚において線香で火を付ける透熱灸やイボ、魚の目などに用いる”焦灼灸”、皮膚に直接もぐさを付着させて,小さな火傷を起こす”打膿灸”などがあります。
無痕灸は、間接灸、無瘢痕灸、温灸などがあります。
無痕灸の代表的なものが”隔物灸”と呼ばれるお灸です。隔物灸は、皮膚との間に味噌や薄く切ったしょうが、にんにくなど、熱の緩衝材になるものを入れたりして熱さを和らげますので、比較的気持がよいものです。最近では、もぐさの加工技術が進みせんねん灸の様な台座付き灸が使われています。
その他に灸頭鍼は、鍼の先端に10円玉ほどの大きさのもぐさを取り付けて点火する方法もあります。
台座灸の構造
台座灸は、皮膚の上に置きますが、直接もぐさが皮膚に接しないため、気持ちの良い熱さで火傷などがおこりずらい。
箱灸
箱灸は、箱の中でもぐさを燃やします。お腹や腰など広い範囲をあたため、暖かさ持続します。冷え症のかた妊活中の方になどにも使用されます。
棒灸
棒状の灸を皮膚から3〜5㎝はなして使用します。ピンポイントで刺激する場合やセルフケアでも使用できます。鍼灸師の指導に従って行うといいでしょう。
箱灸や棒灸は、肩凝りや腰痛、胃腸の不調などの他にも様々な症状に効果があります。
鍼灸治療は、どのような疾患(症状)に効果があるの? 鍼(はり)は、痛い