AIを使えば何でもできる、の落とし穴
熊本で被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。暑い日が続いていますので、どうか体調を崩されませんようお祈りしています。
最近、気になるブログを読みました。タイトルは「The AI Productivity Argument Is Over(AIの生産性に関する議論は終わった)」です。
→ The AI Productivity Argument Is Over
日本では、まだ「生成AIを使えば何倍速く仕事ができるか」という話が中心です。英語圏でもこの記事のような考え方はまだ主流ではありません。しかし、これから生成AIを業務へ組み込んでいくうえで、大切な視点になると思いました。
記事では、AIによって一つの作業が10倍、100倍速くなっても、会社全体の生産性が同じように上がるわけではないと述べています。AIが速くしてくれるのは、仕事の一部に過ぎないという考え方です。
動くアプリと、使えるアプリは違う
以前、ある人がClaude Codeを使って作ったアプリを見せてくれました。個人の情報を入力したスプレッドシートをデータベース代わりにしたマッチングアプリです。利用者が自分の情報を入力して検索すると、最も相性がよい人を紹介してくれます。
試してみると、私自身が表示されました(笑)。
画面は動きます。検索結果も返ってきます。しかし、マッチングサービスとして考えると、自分自身を候補から除外する、何をもって「相性がよい」と判断するのか、未入力データをどう扱うのか、同点ならどうするのか、個人情報をどう扱うのかなど、考えなければならないことがたくさんあります。
こうした条件は、最初の指示には含まれていなかったのでしょう。AIは、その時点で与えられた条件から、動くものを作っただけです。あのアプリは、その後ローンチされたんだろうか…w
AIでは埋められない差
AIによって、誰でも動くものを作れるようになりました。しかし、それを安心して公開できるかどうかは別の話です。AIは完成品を作ったのではなく、人が確認すべきことを残しただけなのかもしれません。
最近は、「AIで1日でアプリを作った」「一人とAIだけで何でもできる」といった話をよく目にします。いくつかのアプリを見てみましたが、多くはExcelマクロやBIツールの延長線上という印象で、それじゃなくても、生成AIをそのまま使えば済むものがほとんどでした。
本当に難しいのは、その先です。アプリに実装した業務のノウハウが、本当に正しく動くのか。そして、利用者に使われ続けるのかを見届けることです。その判断はAIにはできません。
AIは、何を作るべきかが決まれば、スピーディに形にできるようになりました。しかし、それを使えるものまで仕上げる難しさは、何も変わっていないのかもしれません。



