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Mybestpro Interview

話して、動いて、答えるAIを自社開発。人手不足や情報活用の課題の解決を図る

業務課題に応じたAI導入と開発を支援するプロ

折笠僚洋

折笠僚洋 おりかさともひろ

#chapter1

中学時代から独学でプログラムを書き続けた、ものづくりへの情熱

 「もともとものづくりが好きで、中学時代から自分でプログラムを組んでいました」
 そう話すのは、「オーシー」の代表取締役でプログラマーの折笠僚洋さん。京都市を拠点に、対話型AI(AIキャスト)やナレッジ管理システムなど、最先端のAIプロダクトを自社開発しています。

 折笠さんのキャリアは、現場での経験を積み重ねてきたものです。高等専門学校を中退後、さまざまなアルバイトを経て、19歳でコンピューターソフト制作会社に入社。IBM系の代理店勤務を経て独立した後は、昼間は建築現場で働きながら、夜にシステム開発を行う生活を続けていました。当時、使いやすい建築積算ソフトが市場に少なかったことから、自ら開発に着手。実務の中で得た課題意識をもとに改良を重ね、次第に開発業務に専念するようになりました。

 1990年に派遣エンジニアとして歩み出してから現在に至るまで、累計100件を超えるWEBサービス・アプリケーションの開発に携わってきました。SNSやリアルタイムコミュニケーションサービス、スポーツチーム向けアプリ、AIチャットサービスなど、幅広い分野での開発経験を重ねています。

 また1994年には「ペンギンファクトリー(旧名:ディアスコーポレーション)」を創業。WEBシステムやサーチエンジンの開発を手がけ、グループウェア「ペンギンオフィス」を提供。オープンソース化にも取り組み、2006年に事業を売却しています。

 2010年4月に「オーシー」を創業、同年8月に法人化し、2025年には合同会社から株式会社へと組織変更。届出電気通信事業者としてサービス提供を続けており、セキュリティーや信頼性にも配慮した体制づくりに取り組んでいます。

#chapter2

表情や動きに応じて応答するAIキャストで、人手不足や案内業務の負担軽減に対応

 「VTuber(バーチャルYouTuber)用のアバターをベースに、顔の動きや音声と連動させる技術を使っています。感情のような表現や受け答えの自然さを意識して開発しています」と説明するのが、主力プロダクト「AI Cast(AIキャスト)」です。
 ユーザーの表情や動きをリアルタイムで認識し、音声で応答する3Dキャラクターによる対話型AIで、音声認識・生成AI・3Dキャラクター・モーションキャプチャを組み合わせたインタラクティブなコミュニケーションを実現します。リップシンクも「あいうえお」の口の動きに対応するよう設計されており、表情の変化も含めて視覚的に分かりやすい応答を目指しています。

 活用シーンは、イベントや教育、窓口案内、受付接客、デジタルサイネージ、観光ガイドなど多岐にわたります。顧客接点となる場面での説明業務を補助する仕組みとして、人手が不足しやすい時間帯や場所での活用が検討されています。地方の駅や観光スポットでは、時間帯によって人員確保が難しいケースもあり、タブレット端末などを活用することで一定の案内を担う手段として関心が寄せられています。

 また、観光地でスマートフォンをかざすと歴史上の人物のARキャラクターが表示され、解説を行う仕組みなどの応用も構想しています。キャラクターに持たせる知識範囲を限定できるため、企業の総合案内や受付業務など、用途に応じた運用にも対応可能です。

#chapter3

社内の「眠れるデータ」を価値に変えるナレッジベースを構築

 「社内にドキュメントやノウハウが蓄積されているのに、活用しきれていない企業はとても多いです。また、AIツールを取り入れたいものの、業務への組み込み方が整理できていないケースも見受けられます」

 こうした課題に向き合って開発されたのが、ナレッジベース「KønGeŋ.(コンゲン)」です。社内のPDF・Word・Excelなどのデータを取り込むことで、内容を解析し、検索や要約に活用できる仕組みです。キーワード検索に加え、意味に基づいた検索にも対応し、必要な情報にアクセスしやすくします。さらに、蓄積されたデータをもとにしたチャット応答や資料生成などにも活用でき、業務に応じた情報活用を支援します。
 また、ブラウザやデスクトップ、スマートフォンなど利用環境に応じた専用UIを提供し、導入から運用まで継続的な支援体制を整えています。

 さらに、スマートフォンで撮影した画像をもとに街の3Dモデルを構築し、住民自身が地域の変化やインフラの状態をモニタリングできる「住民共創3Dスキャン」など、市民参加型の地域課題解決に向けた構想も動き出しているとのこと。カメラ映像から姿勢を推定し、動作を可視化する「MotionChecker」など、ユニークなプロダクトも次々と生み出しています。

 「プログラミング技術でみなさんの役に立ちたいといつも思っています。ご相談いただけたらアイデアを出せますので、何でも言ってもらえたら」。その言葉には、35年以上ものづくりを愛し続けてきた人間の、揺るぎない自信が宿っています。

(取材年月:2026年4月)

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専門家プロフィール

折笠僚洋

業務課題に応じたAI導入と開発を支援するプロ

折笠僚洋プロ

プログラマー

オーシー株式会社

3Dキャラクターと音声を用いた対話型AIやナレッジ基盤の設計・開発を行い、企業のAI活用を支援。ドキュメント解析やRAG構成なども含め、既存データを生かした仕組みづくりに取り組んでいます。

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