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話せるAIに、会社の知識を持たせる

折笠僚洋

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テーマ:生成AI

話せるAIに会社の知識を持たせる

AIと会話することが当たり前に

最近の生成AIは、かなり会話ができるようになってきましたね。
以前は、その場で質問されたことに答えるだけでしたが、最近のLLMは会話の流れを維持しながら応答できるようになってきました。今では、ほとんどの生成AIが、過去のチャット履歴やユーザー情報を参照し、一貫性のある受け答えができるようになってきています。
音声対話でも、GPTやGeminiの音声対話モードのように、人と会話するような自然な応答が実現しつつあります。AIと会話すること自体は、もはや特別なことではなくなってきました。

会話できるだけでは業務には足りない

しかし、企業でAIを活用するには、自然に会話できるだけでは足りません。チャットボットでも音声対話でも、会社のルールや製品情報、過去の対応履歴、社内文書などのデータを参照できなければ、業務では使えません。
そこで考え出されたのがRAG(検索拡張生成)です。RAGでは、事前にデータを分割しておき、質問に関連しそうな断片を検索します。そして、その断片を生成AIに渡すことで、回答に利用します。
これにより、AIは学習済みの知識だけで答えるのではなく、データを参照しながら回答できるようになります。

RAGの課題とナレッジベース

ただし、RAGにも課題があります。一般的なRAGでは、文書を断片に分割して検索するため、前後関係や文書全体の構造が失われることがあります。検索された断片が不十分だったり、文脈がずれていたりすると、AIがそれを根拠に、もっともらしい誤回答をしてしまいます。いわゆるハルシネーションです。
そのため、業務で使えるRAGには、単に文書を検索するだけでなく、会社の知識をAIが参照しやすい形で整理したナレッジベースが必要になります。
こうした課題を改善する考え方として、GraphRAGやAgentic RAGといった手法も考え出されています。いずれも、知識のつながりや文脈を整理し、必要な情報をより適切に取り出そうとするものです。
当社でもこうした仕組みを以前より試行錯誤する中で構築してきました。先日特許出願したものも、この分野に関する技術です。

音声対話AIと応答速度

当社では、3Dキャラクターと音声で会話できる対話AIを開発しています。
画面に表示されたキャラクターに話しかけると、音声を認識し、生成AIが応答を考え、音声で返答します。応答に合わせて口が動き、表情や視線、身振りも加わることで、対面での会話をシミュレーションできます。
現在は、企業や自治体などの実際の現場で利用することを想定し、検証に向けた準備を進めています。
音声対話AIは、人と自然にやり取りするためのインターフェースです。そのため、ナレッジベースにも、会話のテンポを崩さない応答速度が求められます。前の会話を踏まえた応答、聞き返し、話の整理、音声で聞き取りやすい長さへの調整など、このあたりのチューニングを繰り返しています。

対人対応に広がる対話AI

自然な音声対話が可能になり、さらに3Dキャラクターと会話できるサービスも出てきています。
まだ企業では、情報を蓄積・整理し、知識として生成AIが参照できるようにする段階です。とはいえ、受付、案内、相談、問い合わせなどの対人対応では、AIをキャラクターとして表現し、人と向き合う場面で活用する流れは、今後広がる可能性があります。
現状でも、AI受付やAIコンパニオン、AIアバター接客のような事例は出てきています。ただ、企業の知識を参照しながら、3Dキャラクターと自然に対話する活用は、これからの領域です。

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折笠僚洋
専門家

折笠僚洋(プログラマー)

オーシー株式会社

3Dキャラクターと音声を用いた対話型AIやナレッジ基盤の設計・開発を行い、企業のAI活用を支援。ドキュメント解析やRAG構成なども含め、既存データを生かした仕組みづくりに取り組んでいます。

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