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松村篤

労働生産性向上のプロ

松村篤(まつむらあつし)

みやこ社会保険労務士事務所

コラム

「コピペ就業規則」は労務トラブルの元凶!

就業規則

2017年2月24日

従業員が10人以上になると、就業規則の作成・届出が義務付けられます。

「就業規則なんて、どこの会社でも変わらない」と高をくくり、「他社の就業規則をほぼそのまま使う」「インターネットにアップされていた就業規則テンプレートをそのまま使う」というように、「コピペ(コピー&ペースト)」で就業規則をつくり上げてしまう中小企業は少なくありません。

しかし、こうした「コピペ就業規則」こそが、労務トラブルの元凶です。まさに会社側から「トラブルを起こしてください」と、地雷をまくのと同然と言ってもいいでしょう。

■中小企業が大企業の就業規則をコピペすると、経営に影を落としかねない

なぜ、「コピペ就業規則」が労務トラブルを引き起こすのでしょう。
その理由は至極簡単。会社の実情とマッチしないからです。

例えば、社員10人程度の中小企業が、大企業の就業規則をコピペしたら、どうなってしまうでしょう。
・賞与の支給をしっかり規定している(夏冬各〇ヵ月分以上と具体的に)
・年次有給休暇規定が法定以上の日数を定められている
・休職規定が長期かつ有給となっている

中小企業が上記のように待遇が手厚い大企業的就業規則を適用したら、実情に合わないのは明らかです。給与・賞与の金銭的負担だけでも相当大きくなり、企業経営に影を落としかねません。

■就業規則の適用範囲を明確にしないとトラブルが起きる

就業規則は、適用範囲を明確にする必要があります。一般的には正社員とパートタイマーやアルバイトは賃金や休暇等の労働条件が異なることから、就業規則も「パートタイマー就業規則」を別途作成しているケースが多いです。

一方、「コピペ就業規則」を作成する経営者の場合、「とりあえず就業規則をつくればいい」という頭が先に働き、パートタイマー就業規則まで考えず、就業規則の適用範囲を不明瞭にしてしまうケースが少なくありません。これでは、正社員とパートタイマー・アルバイトの労働条件を同じにしなければいけなくなります。

実際、パートタイマー就業規則がなかったために、正社員への賞与支給時に「私たちにも賞与を払ってください」とパートタイマーから賞与を請求され、支給せざるを得なくなったケースもあります。

■労働者に不利益な内容に就業規則を変更する際は、労働者の合意が必要

「会社の実情に合わない就業規則ならば、変更すればいい」
こんな風に考える社長さんもいらっしゃることでしょう。確かに間違いではありませんが、就業規則の変更は簡単ではないのです。

「年次有給休暇の規定が短くなる」「賞与の支払条件が悪くなる」など、労働者にとって不利益な内容に、就業規則を変更する場合は、労働契約法第9条に基づき、原則として労働者の合意が必要となります。つまり、労働者一人ひとりの同意が求められるのです。それゆえ、他社の就業規則を安易にそのままコピペできないのです。

労務トラブルが起きるかどうかの分かれ道は、就業規則にかかっていると言っても過言ではありません。いい加減に作成した「コピペ就業規則」は、労務トラブルの地雷なのです。

就業規則は基本的に会社の実情に合わせた「オーダーメイド」です。「お下がり」や「既製品」ではいけません。一旦、就業規則の案を出したら、一つひとつ読み合わせをして、会社の実情に合っているか、トラブルが起きないようチェックする必要があるでしょう。

これから就業規則を整備しようと考えている社長さんは、専門家に相談して、従業員が生き生きと働けるための就業規則を作成しましょう。

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