今不可能なことが、ずっと不可能とは限らない

アメリカのアップルコンピューター社の共同設立者、スティーブ・ジョブスのことは
恐らく皆さんご存じだろう。
iPodやiPhoneといった様々な革新的な製品の生みの親である。

僕は、今では、iPhoneを持ち、Mac Book Airを使い、iPadも使っているMacユーザーだが（職場のPCはWindowsだが）
元々は、ガラケーを使い、ウォークマンで音楽を聴いていた人間である。

iPodやiPhoneが登場したとき、「何じゃそりゃ」と思い、付いていけなかった。

「音楽はCDやカセットテープに入っているもので、あんな小さい物の中にたくさんの音楽が入るわけがない」
「ボタンを押さずに電話を架けるなんて考えられない、電話機がネットに繋がったりするわけがない」など
僕の中で「不可能だ」と思っていたことだからだろう。

綺麗な写真を撮ろうとすると、一眼レフカメラが必須だったのが
今では、iPhoneがあれば、日常の写真を撮る分には十分で、ビデオまで撮れてしまうのである。
そのため、僕も一眼レフカメラをほとんど使わなくなってしまった。


このようなことは、現代だからではなく、歴史上も枚挙に暇がない。

分かりやすい例を挙げれば、古くは、ライト兄弟が動力飛行機で空を飛ぶまで
人間が自由に空を飛ぶことができるなど、夢のまた夢だったはずだ。「不可能だ」と思われていたはずだ。


今不可能なことが、ずっと不可能とは限らないのだ。
これは真理であると、確信している。


それは何も、ジョブスの発明や、ライト兄弟の発明のような大それたことに限ったことではなく
自分自身の在り方も同じだと思う。

「自分にこんなことができるはずがない」
「これ以上状況がよくなるはずがない」と考えがちだが、本当にそうだろうか。

世の中、自分でコントロールできることなど、ほんの一握りだ。
自分が「この道を歩く」と決めることはできても、その道ですれ違う人を選ぶことはできない。

世の中は何が起きるか分からない。
今日できなかったことが、明日できるようになるかもしれない。
今日最悪だと思った状況が、明日急に良くなるかもしれない。


だから、後ろを向いて悲観しているのは損だと思う。
同じ一日を生きているのだから、どうせなら前を向いて楽観していればよいのだと思う。
もちろん、もっと良くするためにはどうすればよいのか、真剣に考えていることが前提だが。

年末の事務所の忘年会でも、キャリア50年以上、35年以上の先輩弁護士が
どちらも、世の中、不安に思ったことの8割、9割は、悩まなくてよかったこと
と言っていた。

だから
もし「どうせ」とか「どうもならない」と悲観的な気持ちになりそうになったら
「でも分からんやないか」と気持ちを奮い起こしたい。

明日どんないいことが待っているかなんて、誰にも分からない。
皆さんにも、そう思って毎日を過ごしていただきたいと思う。


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弁護士西村友彦（にしむらともひこ）

夷川通り法律事務所

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