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裁判には血が通っているべきである

2021年10月28日 公開 / 2021年11月16日更新

テーマ:弁護士業務雑感

コラムカテゴリ:法律関連

裁判所に持ち込まれる民事事件や家事事件は
当事者双方の対立が激しいことが多い。


裁判所は、対立した当事者双方の主張を聞き
裏付けとして当事者が提出した証拠を見て
どちらの当事者の主張が真実であるのか
を判断するのが役割である。

表面的には。


僕は、上記の役割が果たせていれば
裁判所としてやるべきことができているかというと
違うと考えている。

判決なりで結論を出して紛争を「終わらせる」ことが司法の役割ではなく
紛争を「解決する」ことこそが、司法に求められている役割ではなかろうか。
もちろん、僕たち弁護士も含めて。


そして、紛争を単に「終わらせる」のではなく「解決する」ためには
激しく対立している当事者双方が、納得し、紛争の「終わり方」について
気持ちを整理できることが必要ではないかと思う。

僕たち弁護士は
そのために、自らの依頼者の納得感が得られるよう
常に弁護活動をしていかなければならないことはもちろん
相手方当事者との間で、無駄に対立構造を深めるような弁護活動をすべきではない
と考えている。


しかし、当事者双方が納得した紛争の終わらせ方をできるためには
弁護士だけではなく、裁判所が果たすべき役割は極めて大きい。

いくら、弁護士が当事者に寄り添って弁護活動を行っても
裁判官が、門前払い的に訴訟指揮を行い、言い分を聞いてもらえているように思えない
となれば、最終的な結論が例え不利益なものでなかったとしても
納得して紛争を終わらせることは難しいのではないかと思う。

結論が自らに不利益なものであれば、より一層、そうである。


裁判には血が通っているべきである。

きっちりと自らの言い分を聞いてもらえた、分かってもらえたと
思えて始めて、当事者は、裁判所の出した結論に納得し
受け入れ、紛争を終わらせることができるのだと思う。


裁判所は、法律を適用して結論を出せばよいのではない。
そんなことだけしていると、司法が信頼を失うことになる。


最近、極めて不当な訴訟指揮を行う裁判官に当たった。
当事者は、弁護士を選べても、裁判官を選ぶことはできない。
そのことの重さを、深く認識すべきである。


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弁護士西村友彦(にしむらともひこ)

夷川通り法律事務所

事業内容
■ 企業法務
■ 民事事件
■ 家事事件
■ 少年事件

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