終わりがあれば始まりがある
12月に入り、街中にはクリスマスのイルミネーションも増えてきた。
少し落ち着きを見せていたかと思ったら、やはりの変異株。
このまま、楽しいクリスマスを迎えられることを願うばかりである。
さて、僕には、クリスマスの時期になると思い出す出来事がある。
話は大学時代まで遡る。
僕は、大学1回生と2回生の時に1度ずつ、合計2度、左の鎖骨を骨折し
3回手術を受けた。
1度目の骨折の時、全身麻酔で最初の手術を受けた。
全身麻酔で手術を受けたのはこの時が初めてで、麻酔から覚めた時になんとも表現できない体のしんどさがあり
もう全身麻酔は嫌だと心から思った。
ちなみに、この時入院したのは、普段、京大アメフト部員が入院が必要な時に利用しない
建物が少々、いや、かなり古びた病院だった(現在も京都市内にそのままの建物で存在している)。
そのため、お見舞いに来てくれた先輩から、「お前、何でこんな犬神家の病院みたいなところに入院してんねん。」
と言われたことを、今でも鮮明に覚えている。
完全に余談である。
最初の手術では、折れた鎖骨に針金のような金具を通して固定していたのだが
その状態のまま2度目の骨折をしたため、金具を取り出さなければならなくなり
2回目の手術を受けた。この手術は、局部麻酔であった。
ようやく本題に入る。
問題は、3回目の手術の時である。
手術そのものは、折れた鎖骨の接合部分をプレートで補強し
プレートを釘のようなもので鎖骨に打ち付けるものであった。
ちなみにこのプレート、取らないとMRI検査を受けられないなどと聞いていたので
現在整形外科医をしている尊敬するアメフト部の先輩に、「プレート取ろうと思ってるのですが、手術お願いできますか?」
と数年前に聞いたところ、「何か取らなあかん理由あんの?」と逆に問い返され、「MRI検査受けられないんですよね?」
と更に聞くと、「受けれんで。」と返されたため、取るのをやめた。多分、一生取らずにいると思う。
本題に戻る。
しつこく、全身麻酔、局部麻酔、と述べてきたのには理由がある。
3回目の手術も局部麻酔であった。
局部麻酔は、当然ながら、意識はある。
そして痛みはないが、感覚はある。
なので、この時も、ガンガンガンガン鎖骨に釘を打ち付けられている感覚はあった。
ガンガンガンガンやられているうちに、眠たいわけではないのだが、ぼうっとしてきて
何だか、お医者さんや看護師さんからの問いかけに答えるのが億劫になってきた。
それで、問いかけられても、そのうち応答することをやめて、目をつぶっていた。
そのため、お医者さんも看護師さんも、僕が眠ったと思ったのだろう。
やがて、お医者さんも看護師さんも、手術とは関係のない、雑談のような話ばかりするようになった。
そうすると、しばらくして、ある看護師が
「ねえ、早く終わらせて帰ろうよう。」
と言ったのだ。
あろうことか、手術中に、患者のいる前で、患者をぞんざいに扱う発言をしたのだ。
それに対し、周りの者は何とも応答しなかったが、僕は聞き逃さなかった。
「おいおい。局部麻酔やぞ。俺聞いてんぞ」と思ったが
手術中だったし、何か言って手術に差し障りがあっても嫌なので、僕もそのままスルーした。
何とも言いがたい、悲しいような、侘しいような気持ちになった。
そう、この日が、クリスマスだったのである。
そのため、クリスマスの時期になると、この出来事が何だか頭に浮かんできて
あの、悲しいような侘しいような気持ちを思い出す。
それと同時に、人と関わる仕事についた今、あの看護師は、プロ根性がない人だったと思うし
自分はちゃんとプロの仕事が出来ているか?と顧みるきっかけともなっている。
長い前振りだったが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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弁護士西村友彦(にしむらともひこ)
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