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子どものことを考える児童福祉であれ

2021年10月22日 公開 / 2021年11月16日更新

テーマ:子どもの権利

コラムカテゴリ:法律関連

虐待を受けた子どもを、児童相談所に一時保護する
という制度が存在していることは、ご存じの方も多いであろう。

これは、虐待を受けた子どもの生命、身体や精神を守るために
非常に大切な制度である。

虐待をしていないと主張する親からも
強制的に子どもを引き離し、保護するからである。


しかし、これは、親権に対する強力な制限であり
この権利発動は、真実、虐待をしていなかった親に対しては
我が身を切り裂かれるような、苦痛を加えるものである。

児童相談所の職員は、このことを分かっているだろうか。


アメリカでは、児童虐待を行った親との関係でも
離婚後、子どもは継続して関わりを持つことが(もちろん様々な条件はあるが)
子どもの健全な成長にとって望ましいとの考えを当然の前提として
子どもと非監護親との関係が形成されているようである

と以前のコラムでも書いたが
子どもの健全な成長のためには
できる限り親との断絶を少なくするべきである。


しかし、現実の児童相談所の職員の態度をみると
自らの行為の正当性を主張することに汲々とし
客観的正義を逸脱しているように見える。

なるほど、児童相談所が、虐待を疑っているとして
「監護懈怠」があるといい、「ネグレクト」とまで断じていない事案で

子どもも母親に会いたいと言い、母親も子どもに会うことを切望している事案で
一時保護してから3か月以上、面会を認めず
母子の良好な面会交流が行われてから
更に3か月の期間、母子を引き離している事案がある。


一体誰のために、何をしようとしているのだろう。
子どものことを見ているか。


児童虐待事案での対応の不備、遅れにより
取り返しの付かない結果が起きてしまった事案は
これまで数多く報道されている。

そのため、慎重に事を進めることは当然だし
それをとやかく言うつもりはない。

しかし、現実に一時保護をして子どもの安全を確保し
調査を行ってきて、深刻な虐待がないと分かっているだろう事案で
親子を徒に引き離し、関係を断絶されることに何の意味があるのか。


児童相談所は、子どもを虐待から守る砦であることはもちろんだが
その権力を行使するについては、子どものことを最優先に考えるべきであり
自らの保身に汲々とするべきではない。

みるべきは、子どもである。


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弁護士西村友彦(にしむらともひこ)

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