スポーツの指導者による体罰・ハラスメント
今回は、”GOAT”について語りたいと思う。
”GOAT”と言っても、何も”山羊”について語るのではない。
”GOAT"とは、”Greatest Of All Time”を略して呼ばれる、NFLのプレイヤー
トム・ブレイディのことである。
【AP Photo/Brynn Anderson】
アメフトファンなら誰もが知る、超がつくほどのスーパープレーヤーである。
2020年シーズン(今日現在継続中である)、彼がまたすごいことをやってのけているので、そのことを語りたい。
これは、あらゆる組織にも関係してくることだと思うので、アメフトに興味がない方にも、何がしかご参考になることもあるのではなかろうか。
年齢は現在43歳で(僕と同い年)
2019年まではニューイングランド・ペイトリオッツというチームに所属し、スーパーボウルというNFLの頂上決戦を6度制覇していた。
これは驚異的な回数で、スーパーボウルには一度も足を踏み入れることすらなく、選手生活を終える者がほとんどである。
勝つために何をすべきか、が身体に染みついており、それを長きにわたり実践してきたからこそ、成し遂げられたことなのだと思う。
そのブレイディは、2020年にペイトリオッツを離れ、タンパベイ・バッカニアーズというチームに移籍をした。
これは衝撃的なニュースだった。
ブレイディの年齢からしても、”Dynasty”(王朝)を築いたとまで評されたペイトリオッツで選手生活を終えるものと僕も思っていたし、ペイトリオッツには、ブレイディの後継者となり得るフランチャイズQBがいなかったからである。
(現に、ペイトリオッツは、2020年シーズン、地区優勝もできず、ポストシーズン出場も逃している。)
NFLは、日本人が想像するよりビジネスな世界なので、選手側もチーム側も、選手の”価値”と報酬が見合っているのかを、感情論を抜きに秤にかけるため、長年チームに貢献してきた選手やスター選手がチームを離れる、ということがよく起こる。
ブレイディの移籍も、その文脈で捉えることができると思っている。
移籍先のバッカニアーズはといえば、2008年シーズンから2019年シーズンまで、プレーオフ出場がないという弱小チームと言ってよいチームであった。
僕は、ペイトリオッツ時代、同い年でもあり、クレバーでストイックなブレイディが好きで応援し続けてきていたが、正直言って、移籍先がバッカニアーズでは、いくらブレイディといえど、惨憺たる結果に終わるのではないだろうか、これまでの栄光に泥を塗るような形になってしまうのではないだろうか、と心配というよりもそうならないで欲しいと祈るような気持ちであった。
それが蓋を開けてみれば、レギュラーシーズン序盤こそ、ちぐはぐな場面もあったが、最終的にはプレーオフ出場を果たし、プレーオフでは見違えるような戦いをみせ続けて勝ち上がり、なんと、スーパーボウルにまで辿り着いたのである。
バッカニアーズにとっては、2002年シーズン以来、18年ぶりのスーパーボウルである。
このスーパーボウル出場の原動力こそが、トム・ブレイディであった。
そのことは、ヘッドコーチのブルース・エリアンスの
「彼がこの組織に与えた信念。それによってこれが可能になった。たった1人が変えたんだ。」
という言葉に表れている。
ブレイディは、コロナ禍で練習が制限される中、バッカニアーズとの契約をしたその場で、自らがコミュニケーションを取るべき選手の連絡先を聞き出し、すぐに動き出したらしい。
アメリカでも外出に制限がかかっている期間に、閉鎖されている公園で練習をしていて注意を受けたという報道もあり、それ自体はあまり褒められたものではないが、勝つために何をすべきかを知り、考え、実践し、周りを巻き込んでいく姿勢には学ぶべき点があると思う。
人は、与えられた環境に嘆き、悲観し、諦めがちだ。
自分1人が頑張っても、他人が変わらなければ何もならない、と捨て鉢になる。
なるほど、これまではそうだったかもしれない。
しかし、これからは違うかもしれない。ブレイディがやってのけたように。
ブレイディはよく、過去のことはよいことも振り返ることをしない、大事なのはこれからだ、という趣旨のことを言っている。
この姿勢にも学ぶところが多い。
組織を変えたいと思うが1人ではどうにもならないと諦めている方。
本当にそうだろうか。
まずは自分が変わってみれば、何かが動き出すかもしれない。
そんな皆さんと、組織の動かし方を一緒に考えていくことができればいいなと思う。
まずは2月8日、スーパーボウル出場を果たしたブレイディが、優勝し、7度目のロンバルディー・トロフィーを獲得して組織改革を完遂することができるのか、楽しみにしたい。
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弁護士西村友彦(にしむらともひこ)
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