まどろみの塾ジイ1020 ー点数の向こう側にあるものー
入試本番への戦術を練る
過去問を解いたけれど、点数がよくなかった
「塾ジイ、ちょっと聞いてほしいんやけど……」
「どうしたんじゃ?」
「この前、志望校の過去問を5教科やってみたんよ。でも、あんまり点数がよくなくてな。このまま何年分も解いて、ずっと今くらいの点数やったらどうしようって不安になってきたんよ」
「なるほど。過去問を解いてみたら、思ったような点数が取れなかったんじゃな」
「そうなんよ。5年分くらいやったら、点数も上がってくるんかな?」
「まず、学校や塾の先生から、過去問の取り組み方について何か指示は出ておらんか?」
「学校の先生からは、指定された年度の問題を解いて、間違えたところを解説を読んでやり直すように言われてる」
「それなら、まずは先生の指示を大切にするんじゃ。先生はおまえの志望校や今の学習状況を踏まえて、取り組む順番や課題を考えてくださっておるはずじゃ」
「じゃあ、塾ジイの話は?」
「先生の指示をきちんと実行したうえで、過去問から何を学ぶか、どうすれば本番で力を出せるか。そこを考えるための話じゃ。先生の指導と違うことを勝手に始めるのではなく、分からないことや追加の取り組み方は先生に相談しながら、自分の学習を深めていくんじゃよ」
過去問を解く目的は、点数を測ることだけではない
「でも、過去問って、やっぱり点数を見るために解くんやろ?」
「それも大切な目的の一つじゃ。今の実力でどのくらい点が取れるのか、志望校の問題にどれくらい対応できるのかを知ることができるからのう」
「ほな、点数が低かったら、合格は難しいってこと?」
「一度の点数だけで決めつけるのは早いぞ。過去問を解いたときの条件はどうじゃった?時間を測って、本番と同じように取り組んだのか。それとも、途中で休んだり、時間を気にせず解いたりしたのか?」
「時間は測ったけど、途中で止まったり、分からん問題を考え続けたりしたわ」
「それなら、まず先生にその取り組み方を伝えて、どのように解く練習をすればよいか相談してみるんじゃ。過去問の点数を見るときは、何点取れたかだけでなく、どんな条件で解いたのかも大切なんじゃよ」
「志望校の問題に慣れるためでもあるんやな」
「そうじゃ。どんな問題が出るのか、問題の形式や傾向を知ることも過去問を解く目的じゃ。ただし、先生から指定された問題や年度を優先するんじゃぞ」
注釈があって解けた問題も、知識に変える
「英語の過去問を解いてると、知らん単語が出てくるんよ。注釈があるから何とか解けるけど」
「先生から、注釈のある問題も単語や文の形を確認するように言われておるかもしれん。まずはその指示に従うんじゃ。そのうえで、注釈があって解けたから終わり、にしてはいかんのう」
「その単語の意味は何じゃ。文の形はどうなっておる。どんな表現が使われておる。そこまで確かめるんじゃ」
「でも、注釈があるから解けたんやで」
「今は注釈があっても、入試本番では注釈がないかもしれん。過去問を通して、知らなかった単語や表現を自分の知識にしていくんじゃ。先生から指定された年度や問題を優先しながら、少しずつ知識を積み重ねていくんじゃよ」
何年分解くかより、何を学ぶか
「過去問を何年分も解いたら、点数は上がるんかな?」
「解いた年数だけで、点数が上がるとは限らんのう。先生から解き直しの指示が出ておるなら、まずそれを実行するんじゃ。大切なのは、答えを覚えてしまって、同じ問題が解けるだけになっておらんか、ということじゃ」
「……答えは覚えてるかもしれん」
「それでは、初めて見る問題に対応できる力がついたとは言えんのう。間違えた問題は、なぜ間違えたのかを考える。必要な知識を学び、似た問題が出たときに自分で解けるようにするんじゃ」
「何問解いたかより、何を身につけたか、やな」
「その通りじゃ。先生から出された課題をこなすだけでなく、そこで何を学んだかを自分でも確かめる。過去問は、解いた数を競うためのものではない。入試本番で使える力を蓄えるためのものなんじゃ」
自分の強みと弱みを知る
「過去問を解いてみたら、得意な問題と苦手な問題があるのが分かったわ」
「それは大きな収穫じゃ。どの教科、どの分野なら点が取れるのか。反対に、どんな問題で間違えやすいのか。そこを整理するんじゃ」
「正解してた問題は、もう大丈夫やろ?」
「本当にそうかのう。何となく選んだ答えが当たっていただけかもしれん。正解した問題も、なぜその答えになるのか、根拠を確かめるんじゃ」
「間違えた問題は、知識が足りなかったのか、時間が足りなかったのか、それとも問題の読み違いか……」
「そうじゃ。先生の解説や指示を確認しながら、原因を考えるんじゃ。自分だけでは分からんことがあれば、先生に質問する。そこから次に何を勉強すればよいかも見えてくるんじゃよ」
### どの問題で目標点を確保する?
「塾ジイ、入試で6割くらい取れるようになりたいんやけど、どうしたらええ?」
「まずは目標点を考えるのも一つの方法じゃ。ただし、志望校や教科ごとの配点によって、目標点も作戦も変わるぞ。先生から目標点や優先する問題について指示が出ておるなら、それをまず大切にするんじゃ」
「全部の問題を解けるようにせなあかんの?」
「いやいや。難しい問題に時間をかけすぎて、取れるはずの問題を落としてしまうのはもったいない。自分の得意な分野や、基本的な問題で確実に点を取ることも大切じゃ」
「じゃあ、どの問題を先に解くかも考えとくんやな」
「そうじゃ。ただし、先生から解く順番について指示があるなら、まずはそれを試すんじゃ。そのうえで、自分に合った作戦があるか、先生に相談してみるのもよいぞ」
時間を測って、本番を想定する
「時間を測って解くのも必要なん?」
「もちろんじゃ。先生から時間を測って取り組むように言われておるなら、その指示に従うんじゃ。入試本番では、時間の使い方も得点を左右するからのう」
「最後まで解けへんことがあるんよ」
「それなら、どの問題に時間を使いすぎたのか、どこで見直しの時間がなくなったのかを確かめるんじゃ。問題を解く順番も工夫できるかもしれん」
「本番より短い時間で解く練習もありなん?」
「先生の指示や学習の段階に合わせることが先じゃ。そのうえで、時間に余裕を持つ練習として、本番より5分から10分ほど短い時間を設定してみる方法もある。取り組んでみたいときは、先生に相談してみるんじゃよ」
「スマホのタイマーやと、つい別のものを見てしまうんよなあ」
「それなら、キッチンタイマーでもよい。時間を測ることが目的じゃ。余計なものに気を取られず、集中して取り組める道具を使うんじゃ」
解いた後こそ、次の作戦を考える
「過去問を解き終わったら、丸つけして終わりでええん?」
「先生から解き直しや分析の指示が出ておるなら、まずそれをやるんじゃ。そのうえで、解いた後こそ大切にしてほしい。間違えた問題を見直し、なぜ間違えたのかを考える。正解した問題も、答えの根拠を確かめるんじゃ」
「どこから見直したらええん?」
「まずは、正答率が高いのに自分が間違えた問題に注目するとよい。多くの受験生が正解している問題を落としておるなら、そこは優先して学び直したいところじゃ。模試の結果も参考になるぞ」
*模擬テスト活用レシピ
https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5119681/
「成績データを見て、自分の強みや弱みを考えることもできるぞ」
*塾ジイの部屋6(バックナンバー)-素材のうま味を活かし切る成績データ活用法-
https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5237213/
「模試の間違いを、自分専用の教材に変える考え方もあったのう」
*塾ジイの部屋19 -模試を“自分専用の教材”に変える方法②-
https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5237541/
「過去問でも模試でも、間違えた問題をそのままにせず、次の勉強につなげることが大切なんやな」
「その通りじゃ。間違えた問題について、解答の根拠を自分の言葉で書いてみるのもよい。試験中にどんな気持ちだったか、時間が足りなかったのか、焦っていたのか。そういうことも振り返ってみるんじゃ」
「それで、次に何を勉強するか決めるんやな」
「うむ。先生から出された次の課題を優先しながら、間違えたところの知識を補い、もう一度自分で解けるか確かめる。そこまでやって、過去問を使った学習が一つ進むんじゃ」
過去問は、解く前から始まっている
「塾ジイ、過去問って、ただ解いて点数を見るだけやと思ってたわ」
「点数も大切じゃが、それだけではもったいない。まず先生の指示を実行する。そのうえで、過去問を解く前に作戦を考え、解いている最中には時間の使い方を工夫し、解いた後には次の学習課題を見つけるんじゃ」
「先生に言われたことをやって、自分でも間違いの原因を考えて、分からんところは質問する……」
「そうじゃ。先生の指導を土台にして、自分の力で解ける問題を一つずつ増やしていくんじゃよ」
「よし。次の過去問は、先生の指示を確認してから取り組むわ!」
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「塾ジイのBAR」15 -過去問の点数に、一喜一憂する前に-
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