「塾ジイの日記」21 ―効率的な学習戦略と模擬テスト活用の重要性ー
こんにちは。出口利光(でぐち りこう)と申します。40年間【宇加瑠出進学教室】で教鞭をとり、5年ほど前に定年退職しました。今では自宅のアトリエで趣味の油絵を楽しむ傍ら、近所の小中学生に勉強を教えています。最近親御さんや子ども達から学習や受験に関する相談を受けることが増えました。今週は先週に続いて模擬試験の活用方法について話してきました。言うまでもなく、模擬試験の機能性を高めることは、過去問や演習形式の授業と並んで実践力を身に付けるうえで非常に重要な項目になります。今週、親御さんや子どもたちにお伝えたしたことをまとめてみました。
今週の三つの作品を振り返る
今週は、わし自身の「ボイスコラム」「塾ジイのBAR」「塾ジイの部屋」を続けて振り返ってみたんじゃ。
https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5237414/
「塾ジイのボイスコラム4 ー小さな変化を感じれば、やがて…ー」
https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5237416/
「塾ジイのBAR12 -「その“2”は成長の証じゃ」ー」
https://mbp-japan.com/kyoto/kyoshin/column/5237541/
「塾ジイの部屋 ―答えだけでなく、「そのときの自分」まで見直す―」
三つを振り返ってみると、最後の「部屋」で、ずいぶん細かなところまで話をしたもんじゃ。
「復習しろ!」の、その先にあるもの
「模試の復習をしよう」だけではない。
どの問題から見直すのか。
何を根拠に答えたのか。
解答解説とどう照らし合わせるのか。
普段のテキストのどこに戻るのか。
そして、試験中に自分がどんな気持ちだったのか。
かなり具体的な作業の話じゃった。
ここで、わしは指導者の皆さんに一つ考えてほしいんじゃ。
「もっと頑張ろう」
「ヤル気を出そう」
「ちゃんと復習しよう」
こんな言葉を、生徒に掛けることはないじゃろうか。
もちろん、それが悪いと言っておるんではないぞ。
励ますことも必要じゃ。
背中を押すことも必要じゃ。
じゃがな……。
「その先」を、わしらはどこまで用意しておるじゃろうか。
「何をすればいいの?」から抜け出すために
「復習しなさい」と言った。
では、何を復習するんじゃ?
間違えた問題を全部やり直すのか?
正答率の高い問題から見るのか?
解答を覚えるのか?
自分がなぜその答えを選んだのかまで確認するのか?
そして、復習した後に何を変えるんじゃ?
ここまで具体的にして初めて、生徒は「じゃあ、何をすればいいの?」から抜け出せるんじゃないかと思うんじゃ。
わし自身、「塾ジイの部屋」でそこまで踏み込んでみた。
「復習しろ」ではなく、
「まず、ここを見るんじゃ」
「次に、これとこれを照らし合わせるんじゃ」
「そして、ここまでやってみるんじゃ」
と、一つ一つの作業にしてみたんじゃ。
具体的な指示には、指導者の覚悟がいる
なぜ、そこまで細かくするのか。
生徒に親切だから……ではない。
指導する側にとっても、覚悟が必要になるからじゃ。
「復習しなかったから伸びなかった」
「ヤル気がなかったからできなかった」
そう言ってしまえば、話は簡単じゃ。
じゃが、もし、
「この問題を、こういう手順で見直そう」
「このページまで戻ろう」
「次のテストでは、ここを一つ変えてみよう」
と、具体的に指示したとする。
それでもうまくいかなかったら……。
今度は、わしら指導する側が考える番じゃ。
「この作戦でよかったんじゃろうか?」
と。
これは、生徒を責めるより、ずっとしんどいことかもしれん。
じゃが、わしはここに指導者としての覚悟があると思うんじゃ。
「ヤル気がない」を隠れ蓑にしない
「ヤル気がない生徒」
「復習しない生徒」
という言葉を使うこと自体が悪いわけではない。
実際、そういう生徒もおるじゃろう。
ただな…
その言葉が、わしら自身が次の指導を考えなくて済む「隠れ蓑」になっていないか。
そこは、一度自分に問いかけてみてもええんじゃないかと思う。
生徒を変えるのは、簡単なことではない。
じゃが、生徒への働きかけ方を変えることは、わしらにもできる。
「頑張れ」を具体的な作業に変える
「頑張れ」と言う前に、
「何を、どのように頑張るのか」
を一緒に考える。
「復習しろ」と言う前に、
「何を、どの順番で、どこまでやるのか」
を示してやる。
そして、それでもうまくいかなかったら、
「生徒のせい」にする前に、自分たちの作戦を見直してみる。
それが、指導するということではないかの。
うまくいかなければ、次の一手を考える
もちろん、すべての生徒が、こちらの思った通りに動いてくれるわけではない。
じゃが、だからこそ、次の一手を考えるんじゃ。
一つの方法がうまくいかなければ、別の方法を試す。
そのために、生徒をよく見る。
小さな変化を見る。
そして、具体的な作業に落とし込む。
今週の三つの作品を振り返って、わし自身も改めてそんなことを考えたんじゃ。
「指示」から「指導」へ
「頑張れ」の、その先へ。
「ヤル気を出せ」の、その先へ。
「復習しろ」の、その先へ。
そこまで踏み込んで初めて、わしらの仕事は「指示」から「指導」になるのかもしれん。
若い先生方へ
若い先生方には、ぜひ一度考えてみてほしい。
生徒に何を求めるか。
だけではなく、
自分は、生徒がそれをできるところまで、何をしてやったのか。
そこから先は……。
わしら自身の腕の見せどころじゃと思うぞ!
「“教務力”とは【伝達力】【情報力】そして【伴走力】であり、それらすべては【対生徒のみならず対保護者】にも言えることである」とわしは勝手に考えているんじゃが…。
追伸:わしは受験指導するうえでヤル気の重要性は否定せん。じゃが、ヤル気とは…例えるならば…【足あと】なんじゃ。一歩も踏み出すことなく【足あと】を残すことはできん。振り返って自分の足あとを見たとき、生徒は、いや、人は自身の歩みを実感し、そこから自己肯定感が湧き上がる。それがいわゆる「ヤル気」なんじゃと思う。じゃから、「ヤル気にさせてから頑張らせる」のではなく、「最初の一歩の【足あと】に共鳴し、次の歩みにつなげていく】ことが、わしら“塾屋”に限らず【指導者】に必要なことのような気がするんじゃな…。
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