良い色、悪い色
今年もあと数時間で幕を閉じます。今年は年明け早々から超過密なスケジュールで1年間走り続けてきました。
思えば2019年からの2,3年は3重苦とも言える逆風の中でもがき苦しんでいましたが、ようやく今年になってその苦しい時期を脱したように思います。
その3重苦の1つ目は「働き方改革」によるスタッフの就業時間減少です。小規模のデザイン会社というものは、労働条件的に正直ブラックなところがほとんどと言っても過言ではありませんが、その中でも弊社はまだ社会保険も完備、有給も賞与もあり、休日出勤や夜遅くまでの残業もナシと、業界的にはかなりホワイトな方でした。ところが俗に言う「モンスター社員」の出現で、世間一般並みの就業規則の作成が急務となり、社労士に作成を依頼したところ、到底業界的には達成できない内容のものとなってしまいました。ただ、そのモンスター社員を解雇するためには必修ということで、泣く泣く労働基準局に届けでも済まし、実施。それによりスタッフ1人あたり1ヶ月で約30時間、8人合計で約250時間もの労働時間が減少してしまいました。おまけに従来より有給も1人あたり15日も増加。8時間労働として年間120時間が8人で960時間。全てを合計すると年間で約4,000時間もの労働時間が消えることとなってしまいました。時給を最低賃金で計算しても約400万円もの減少となってしまいます。正直これはかなりきつい数字です。私が土日働いたとしても到底カバーできる数字ではありません。このことが3重苦の中で最も大きな要因でした。あとから多方面の方々にいろいろと話を伺うと、もう少しうまくすり抜ける方法もあったようですが、今となっては私自身の勉強が足りなかったというしかありません。
2つ目は、やはりコロナです。1時期は助成金の効果もあってECサイトの受注が伸びたりもしましたが、それが一段落すると一気に売り上げが減少。今までで最も大きな下げ幅となってしまいました。東京のオフィスでは早い時期から受注が戻ってきていましたが、京都の方はほぼ壊滅状態。もともと弊社は観光業界の仕事がほとんど無かったこともあり、いまだに回復にはほど遠い状況です。
そして3つ目は東京オフィス開設に関わる経費の増加です。もちろんこれは開設前から想定していましたが、先の2つの重荷がのしかかった上での経費増加というのはかなりきつい状況でした。ただ、もし東京にオフィスを開設していなければ、コロナ収束後の受注回復は見込めなかったわけで、京都だけでビジネスを展開していたら今頃会社自体が存続も危ぶまれていたかもしれません。
そのような状況も、仕事の効率化や受注内容の改善、新しいビジネスモデルへの変革などさまざまな努力を続け、ようやく克服できそうな目出がたってきました。その意味で2023年は、大きな節目となった気がしています。
特に新しく取り組みを始めたビジネスモデルとして「オウンドメディア」の構築がありますが、これは主に中小企業に向けたアプローチとして大きな期待をしています。それよりも以前から取り組んできた2つのプロジェクト「Handle Project」と「shirotama」もこの「オウンドメディア」と相性がよく、今までよりもさらに他社にはまねのできないKDF独自の取り組みとして提案していくつもりです。
2024年、コイズミデザインファクトリーは今まで以上に歩幅を広げ、周りの景色を見ながら、確実に前進します。3重苦から完全に脱し、デザイン会社として唯一無二の価値を持つべく、日々努力を重ね、結果を追求していこうと思います。
皆様、どうぞそんなコイズミデザインファクトリーに、お力添えを賜りますようお願い致します。