ブランディングのベースはビジネスの道徳心
ブランディングを成功させるために必要な要素は大きく分けて3つです。そのどれが欠けてもブランディングは成功しません。そしてさらにその3つの順番も非常に重要です。
最も基本的な要素は「QUALITY」
ブランディングで最も最初に固めるべきことは商品やサービス自体の「QUALITY」です。
いくら販促物のデザインが良く、WEBサイトが素晴らしくても、その商品やサービス自体の品質が伴わなければブランディングが成功するはずがありません。
何十年何百年も昔から、素朴で飾り気のない商品が、長年消費者に愛されつづけているようなケースが、わかりやすい例です。しっかりと技術や精度、品質を磨き、エンドユーザーに広く受け入れられるという、最も基本的は部分がブランディングにはとても重要です。
わかりやすい例を挙げるとすれば
●ラーメン屋さんが美味しいラーメンを出す。
●タクシーが安全運転をする
●素材や縫製が優れているファッションブランド
●長持ちするバケツ
●他店にはおいていない酒を置いている酒店
●品揃えがとても個性的で素敵な雑貨屋
などごく普通に「あたりまえ」と思われている部分ですが、実はこんな基本的な部分でさえできていないということが実際によくあります。
ぶれのない「DESIGN」が必要
商品自体のデザインはある意味「QUALITY」の一部といえますが、販促全般のデザインが大きな意味を持つことはいうまでもありません。販促にはロゴデザインやパッケージデザイン、広告、キャッチコピー、写真やイラスト、カタログやポスター、そしてWEBサイトや店頭のディスプレイ、最近では動画やSNSなど様々な要因が存在します。一般的にそれらのデザインはその専門業者に所属するデザイナーやそこから個別に外注先のデザイナーに振り分けられます。しかしここに大きな落とし穴が存在します。
それはデザイナーだからといって全ての販促に関わるデザイナーが一定レベルで、しかもその商品やサービスの本質を理解できているとはいえないことです。それぞれのセクションのデザイナーは男女の差や年齢の差、キャリアの差などデザイナーとしての資質がまちまちです。しかも、商品企画の段階から思い描いていたコンセプトやストーリーを全てのデザイナーが同じレベルでずれることなく理解し、伝達することなど到底不可能なことです。
実はこの点がブランディングにおいて最も問題となるのですが、実際の現場ではなぜかあまり問題視されていません。それはそういった状況がすでに当たり前のものとなっていて、そこを解決することなどできないという諦めが常識となってしまっているからです。しかし、そのズレを修復しない限り精度の高いブランディングが不可能なことは明らかですから、あとはデザイナー自身がその状況を理解し、少しでもズレの幅を小さくするという意識が必要だと私は考えています。
あとは「PROMOTION」しだい
「QUALITY」や「DESIGN」がいくら優れていても「PROMOTION」がうまく行かなければブランディングは成功しません。いくらいい商品で、取り巻くデザインが良くても、それ自体を誰も知らなければその商品が売れることは絶対にありません。
ブランディングの仕上げでもある「PROMOTION」はまずエンドユーザーに知ってもらうということを最優先に考えます。そのためにインターネットの活用やアナログな方法の積み重ねなど、試行錯誤を繰り返しながら商品やサービスの認知度を高めていくのです。
WEBやSEO業者がこれさえあれば、というような売り文句で自社のサービスを懸命に売り込んだりしていますが、そんなサービスで成功するくらいなら、みんながやって成功しているはずです。決してそんなサービスに流されないでください。大企業であればどんどん宣伝広告費をつぎ込んで、力づくで成功させることと思いますが、中小企業にそんなことはできません。とにかく我慢強く、根気よく、着実に成果を上げる方法を探っていくしかないのです。
まとめ
●ブランディングには「QUALITY」「DESIGN」「PROMOTION」が必要
●「QUALITY」「DESIGN」「PROMOTION」の順序を間違えてはいけない。
●各セクションのデザイナーのスキルや資質を理解し、全体を通してズレを少しでも少なくする
(全てのセクションを1人のデザイナー、1つのデザイン会社でできれば、それが理想)
●全てが解決するような広告には騙されず、着実に根気よく成果を積み重ねる
コイズミデザインファクトリーではブランディングに関する様々な疑問やご相談を受け付けています。