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小泉達治

京都の街に貢献するデザインのプロ

小泉達治(こいずみたつじ) / デザイン

有限会社コイズミデザインファクトリー

コラム

ブランディングで「QUALITY」と「DESIGN」が揃ったら・・・

2023年9月10日

テーマ:中小企業やショップのブランディングとは

コラムカテゴリ:ビジネス

ブランディングの最終段階「PROMOTION」

過去のコラムでブランディングには「QUALITY」と「DESIGN」と「PROMOTION」の3つの段階が必要だと書いてきましたが、最も重要な「QUALITY」とそれを具現化する「DESIGN」が揃ったら、次は「PROMOTION」で発信することが必要です。

「QUALITY」と「DESIGN」が揃った時点で、本来ブランディングの本質はできているのですが、折角創りあげたブランド力を発信して広く知ってもらわないと何の意味もありません。
折角創りあげたブランディングがどれほど世の中に受け入れられて、評価を得るのか、その成果を世の中に問うのが今回書かせていただく「PROMOTION」なのです。

ブランディング自体と「PROMOTION」の成功か否かは別

ここで注意しないといけないことは、いくら素晴らしいブランディングができていても「PROMOTION」で失敗してしまうとブランディング自体が失敗だったかのように思われてしまうことです。折角のブランド力が「PROMOTION」の方法がまずかったことで全く世の中に浸透せず努力が無駄になってしまうことがあります。
ブランディング自体は社内の意識も高め、デザインも専門のデザイン会社に高いお金を払って仕上げたのに、たいした効果が無い・・・・、こういう失敗談をよく耳にします。そういうケースのほとんどが、この「PROMOTION」が不十分だったり、方法が間違っていたりすることによるものです。

ただ逆に、間違ったブランディングや不完全なブランディングなのに「PROMOTION」がよくて成功してしまうというケースも存在します。広告やインフルエンサーに莫大な費用をかけたり、市場に商品をばらまいたりすれば、一時的にはブランドが浸透します。しかし、最初のうちはそれが通用しても徐々に滅金がはがれ、後々にはそのブランドの命取りになることもよくあるケースです。
最近のニュースでは、あの大手中古車販売会社が良い例でしょう。

デジタルな方法ばかりが「PROMOTION」ではない

最近ではSNSを中心としたデジタルな情報発信力が注目されていますが、「PROMOYTION」における発信の方法は何もデジタルばかりではありません。

効果的な「PROMOTION」には大きく3つの方法があります。
●デジタルなPROMOTION
(WEBサイトやオンラインショップ、BLOG、SNS、LINE、YOU TUBEなどインターネットやスマートフォンを活用した方法論)
●アナログなPROMOTION
(チラシやポスター、カタログなど印刷物やノベルティ、雑誌や新聞広告など従来からある手から手へ伝える方法論)
●リアルなPROMOTION
(実店舗やPOP UP出店、イベントなど直接お客様と接する方法論)

そして、この3つはそれぞれ別々の役割では無く、3つが絡み合って相乗効果を生むことでさらに大きな効果をもたらします。

3つのPROMOTIONの相乗効果を生むオウンドメディア

インターネットで検索したり、たまに上がってくる広告ではオウンドメディアというと、1つの冊子やWEBサイトなどで構成されたポータル的なものを指す場合があります。もちろんそれ自体もオウンドメディアではありますが、私が考えるオウンドメディアとはもっと総括的で広い範囲を指します。
それは先述の3つのPROMOTION方法論すべてを1つのオウンドメディアととらえ、自社でコントロールできる媒体全てを連携させて活用するという考え方です。
3つのPROMOTIONを網のように張り巡らし、その網で市場の支持や仕事を大きくバサッとすくい取る感じです。
ただ、実際に多い例として
「うちは立派なホームページがあるし、SEO対策も専門業者に頼んだから大丈夫」
「定期的に広告をうってそこで反応があるから大丈夫」
「今更紙媒体なんて古いでしょ」
「POP UPやイベントはその場限りだし、労力もかかるし・・・」
「今はやっぱりユーザーが多いLINEでしょ」
というような考え方があります。
これらは、ある意味部分的には合っていますが、「PROMOTION」の効果的な方法としては足りていません。
今の世の中、そんなに簡単にビジネスが軌道に乗るようなことは考えにくく、1つや2つの方法論がたまたまうまくいってもその効果は短期間でしぼんでしまいます。
よくある例として、新規オープンするショップが最初はチラシやインフルエンサーを使って集客し、オープン当初は行列ができていたのに、1ヶ月もすると誰も並んでいなくなり、半年か1年後には閉店というパターンです。
こういった例は「PROMOTION」の方法論を断片的にしか実施していなかったため、ユーザーを1本釣りのようなピンポイントの施策しかできていなかったということでしょう。
先ほどの繰り返しになりますが、もっとユーザーを大きな網で広く掬う感覚を持って「PROMOTION」の方法論を組み立てる必要があったと言えます。

自分たちで自由にコントロールできるオウンドメディア

オウンドメディア自体のことをここで説明すると長くなってしまうので、次回のコラムにまわさせていただくとして、ここではオウンドメディアの考え方にはこんなメリットがあるということを上げさせていただきます。
●自社の発進力が付くと将来的に新しい商品やブランドを開発したときにも発信力が活かせる
●広告のように効果が一時的で無く、持続性があるので費用対効果が高い
●持続性のある発信力は求人や資金調達の時も有利に働く
●他社や他団体のオウンドメディアと連携することでさらに大きな「網」ができあがり発信力がより拡大する
●その発信力自体が営業ツールとなり、新規の問い合わせや情報が集まりやすくなる

ブランディングの最終段階として非常に重要な「PROMOTION」。一体何をどれだけやればいいのか、どれだけの費用が掛かるのか、分からない事が多すぎて立ち止まっている企業が沢山あります。今この段階ではこれをやる、そして次にこれをやる、というようなロードマップをつくることができればいいのですが、そもそも全体像が見えないので、それも難しいでしょう。その全体像をつかみ、ロードマップをつくるためにもオウンドメディアの考え方を取り入れ、ブランディングの効果を最大限に活かしましょう。

次回からはブランディングのPROMOTIONを推し進めるためのオウンドメディアについて書かせていただきます。

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