めまいとふら・ふら(パート2)
自律神経失調症は聞いた事があると言う方も多いかと思います。
特定の病気の診断がない(内科的に異常がない)、かつ不定愁訴があるものを指しますが
その不定愁訴は様々で頭痛、耳鳴り、めまい、原因不明の熱、ほてり感、便秘や頻尿などもあったりします。
この中でも最も多いのは「めまい」ではないでしょうか。メニエ-ル病などは内耳の膨張・器質的障害によって起こるので放っておいて症状が改善することは少なく、布団で寝ていても天井がぐるぐると回るような激しいめまいが起るのが特徴です。
一方、自律神経失調症のめまいは震度1の地震ぐらいの揺れを瞬発的に感じるものから、長時間、ふらふらして何かにつかまっていたい感じがする、といったぐらいが多いようです。
おかしいな?と思い、病院に着いた頃には治ってしまっている。そんな症状の不安定さを持つものが自律神経失調症の特徴でもあります。自律神経失調症による「めまい」は起立性低血圧(いわゆる、立ちくらみ)が原因のことが多いです。
平衡感覚について
「平衡感覚」は一つの器官だけで保たれているのではなく、小脳・目・耳(三半規管)・足裏がチームのように連携して働くことで成り立っています。
まっすぐ立ち、ふらつかずに歩けるのは、脳の奥にある小脳が“司令塔”となり、全身から集まる情報を瞬時に整理して、筋肉に適切な指令を出しているからです。
小脳は、体の動きの微調整や姿勢のコントロ-ルを狙い、バランスを保つ中心的な役割を果たしています。
そこにまず大きく関わるのが目です。目は周囲の景色や地面の傾き、物との距離を捉え、「自分の体が空間の中で今どこにあり、どう動いているか」を脳に伝えます。暗い場所で急にふらつきやすくなるのは、視覚情報が減るためで、小脳が姿勢を調整しにくくなるからです。
次に重要なのが耳の奥にある三半規管です。三半規管は頭の動きや回転、傾きを感知する“体の中の水準器”のような器官で、動いた瞬間の加速や揺れを素早くキャッチし、小脳に送ります。乗り物酔いやめまいが起るのは、この三半規管の情報処理が乱れることが一因です。
そして意外に見落とされがちなのが足裏です。
足裏には多くの感覚受容器があり、地面の硬さ、傾き、体重のかかりかたを感じ取り、「今、自分の体をどこで支えているか」という土台の情報を小脳に届けています。裸足で立つとバランスがとりやすくなるのは、足裏からの情報が豊かになるためです。
このように、目で空間を知り、耳で動きを感じ、足裏で地面を捉え、それらを小脳が統合して姿勢を調整する。この連携プレ-こそが、私たちの平衡感覚の正体です。
どれか一つが弱っても、ふらつき、転倒、めまいにつながりやすくなります。だからこそ、視覚を使う習慣、頭や体を動かす刺激、足裏への適度な刺激、そして小脳を使う運動を日常に取り入れることが、バランス力を保つ大切な養生になります。



