英語塾なんですけどね、他教科の成績が変わるようです。
半田英語塾で一番大事にしていること。
ホームページ開設時に掲載したものをそのまま記載します。
私にしては、長くて堅い文章です。
お時間のある方はどうぞ。
英語のかなめ。
「かなめ」とは何か。
新明解国語辞典第7版によると
1.扇の骨をとじあわせるためにはめる小さなくぎ
2.そのものを支えるうえで最も大事な役割を果たす部分や人
である。
私の考える英語の「かなめ」は「英語を使う力を育むうえで最も大事な役割を果たすもの」という説明が当てはまる。
英語には「読む」「聞く」「話す」「書く」という、いわゆる「4技能」と呼ばれるものがある。この4つの技能を自由自在に操れるようになると、「英語がわかる」「英語が使える」状態であり、学習指導要領も言語活動を「読むこと」「書くこと」「聞くこと」「話すこと」の分野ごとに分け、学習の目標を明記している。
では、この「読む」「聞く」「話す」「書く」技能に必要な知識、技術は何か。
まず、どうしても必要なものは、ボキャブラリー、語彙、単語を知っている、ということだ。「本=book」「食べる=eat」といったことを知識として知っていなければ、言葉を使うことができない。次に必要となるのは、発音だ。「book」がどんな音で表現されるのか、「eat」がどんな音なのか、聞いてわかる必要があるし、自分で音を作る、つまり、発音できる必要がある。音と意味を一致させる知識、技術が必要だ。そして、読むこと、書くことに関しては、綴りを知っていることが必要になる。最後にこれらの知識や技術を使って意味のある語句の塊や文を作るために、文法が必要となる。ボキャブラリー、発音、つづり、文法、これらの知識、技術がそろえば、英語が使えるようになるはずだ。しかし、残念ながら、私の経験では、この4つの要素をそろえても使えるようにはなっていなかった。
私は外国語大学に入学し、TOEFLも規定以上の成績をとり、カナダの大学に入学した。しかし、そこで、私は、自分の英語力のなさに直面した。単語も知っている、発音もわかる、文法も知っている、もちろん、綴りもしっかり覚えている。が、日常会話すらままならなかった。必要な知識、技術があっても、使えなかった。何かが欠けていた。そうしながら、留学中の3年間に英語でエッセイを書き、プレゼンテーションに取り組み、教育実習に参加していく中で、私の英語力が変わっていった。さらに、カナダの大学を卒業し、日本の高校で英語を教え、イギリスの大学院に進むころには、カナダ時代とは比べ物にならないほど楽にエッセイを書き、15000ワードに及ぶ卒業論文を書くことができた。カナダで3年も過ごせば、話せるようになる、英語が使えるようになるのは当たり前だと思う人が多いだろうが、何年カナダに居ても片言の英語で過ごしている移民もたくさんいることを踏まえると、英語に囲まれた環境に身を置いても、英語力が伸びるとは限らないことがわかってもらえるのではないか。
今思うと、私はカナダの大学時代に3年かけて、何かを身に付けたように思う。そして、それこそが、「英語のかなめ」だと気が付いた。
では、私の日本の外国語大学時代に欠けていて、カナダで鍛えた能力は何か。そして、今、私の考える「英語のかなめ」と呼べるものは何か。それは「論理的思考力」である。このことに気が付くきっかけになったのは、香川にある かつうら英語塾 に行くようになってからだ。勝浦先生が授業のなかで英語を徹底的に論理的に分析し、論理立てて解説するのを聞いて、自分が頭の中でどのような作業をしているのかに気づいた。また、勝浦先生に出会い、英語の音読を、毎日ではないものの、継続するようになり、そのことで新たな気づきがあった。それは、カナダ留学前と現在の私自身の英語の処理能力のスピードの違いだ。私は中学高校と英語は音読をして覚えていた。ほぼ毎回、テストは100点だった。だが、それは、ただ、暗記をしていただけで、「考える」ところまで到達していなかった。暗記は必要だが、実際に使うとなると、考えることが求められる。カナダに行ったとき、そこが私には欠けていた。しかも、論理的に、筋道を立てて考えるということが。
英語を論理的に考えるということは、単語や文法の知識が絶対に必要となる。学校では「文法を覚える」ところに重点が当たっている。(今はどうか知らないが、私が高校で教えていたときはそうだった。)大学受験で必要になるのは、その先だ。外国に行きたいなら、思考力プラス度胸(心の強さ・自分らしさ)も必要になる。
半田英語塾では、この「英語のかなめ」プラス、通常、あまり重要視されない「発音」及び「声に出して読む」ことにも重点を置く。ま、それは塾に来てくれる人に説明するので、ここでは、省く。ただ、確かなことは、文法をどれだけ覚えても、単語をどれだけ暗記しても、そこにはすぐ、限界が来るということだ。単語を覚えて推測で英語を読むことほど、ストレスフルなことはない。確実に英語がわかる方法があるのなら、試してみて損はない。「英語のかなめ」は誰でも鍛えることができる。
February 29, 2016