なぜ総合保険代理店はたくさんの保険会社を取り扱うのか?

「家を建てるときは、生命保険を見直す良いタイミングですよ」これは、保険のご相談をお受けする中で、私がよくお伝えしていることのひとつです。
ただしこの言葉、誤解されがちです。「住宅ローンを組んだんだから、保険も増やさなきゃ」と思われるかもしれませんが、実はその逆。保障額は減ることもあるのです。
生命保険の基本は「必要保障額」を把握することから
そもそも、死亡保険に加入する目的は、「万が一のときに遺された家族が困らないようにする」こと。このためには、万が一のとき、どれだけのお金が必要かを把握することが重要です。これを「必要保障額」といいます。
必要保障額の目安となる支出は、おおまかに以下の4つです。
住居費(家賃または住宅ローン)
生活費(食費・光熱費など)
教育費(お子さまの進学費用など)
葬儀費用
これらの合計から、配偶者の収入や遺族年金などを差し引き、実際に保険で備えるべき金額を見積もるというのが基本的な考え方です。
団信付きの住宅ローンなら「住居費の保障」は不要に
マイホームを購入する際、多くの方が住宅ローンを利用されますが、その際に「団体信用生命保険(団信)」へ加入するのが一般的です。
団信に加入していれば、ローン契約者が亡くなった場合にローン残債はゼロになります。
つまり、住居費の保障が不要になるため、必要保障額は「生活費+教育費+葬儀費用」とコンパクトになります。
保険に加入する目的が「家族が困らないようにすること」だとすれば、無駄に多くの保障を持ち続ける必要はありません。
保険は“万一”に備えるもの。家計の見直しにもつながる
生命保険は「遺された家族が困らないための備え」であり、「万が一に備えつつ、今の家計にも無理がないこと」が大切です。必要以上の保障を持っている場合、見直すことで保険料が軽くなり、その分をお子さまの教育資金や老後の備えに回すことも可能です。
住宅購入は、ライフプランが大きく変わるタイミングの一つ。だからこそ、その節目に保障の内容も見直してみるのが賢い選択といえます。
最後に少しだけ、私の話を。
ちなみに私自身も7年前に住宅ローンを組んで家を建てました。その時ももちろん自分でシミュレーションをし直したんですが、結果的に私は生命保険の見直しをしませんでした。理由は、住宅ローンをフラット35(団信なし)で組んだからです。
“住宅ローンを組んだから一律で生命保険を減らす”のではなく、自分の状況に合った保障を選ぶことが大切ですね。



