【第2部】「守りの財務」から「攻めの予兆管理」へ ~モニタリング強化型特別保証制度の創設

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:財務


 こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
今回はモニタリング強化型保証制度を利用することによる企業への影響についてお話しします。

はじめに

 第1部は、モニタリング強化型特別保証が透明性の高い企業を優遇する仕組みであることを解説しました。しかし、優遇には「義務」が伴います。
 今回は、この制度を導入することによる管理コストやその他の影響について考察します。

財務の視点:報告義務は「負担」か「資産」か

 この制度は、毎月の試算表などに加え、定期的な報告が求められます。

報告事項具体的な内容例
月次管理毎月、認定支援機関と試算表・資金繰りをチェック
定期報告年1回、金融機関を経由して保証協会へ状況を報告
予兆の報告主要取引先との契約解除、6か月以内の資金不足の懸念、大幅な売上減少など

 注目すべきは、経営に「予兆」が見えた際の速やかな報告義務です。
これを怠れば、制度の趣旨に反すると見なされかねません。
しかし、「悪い情報を早めに出してくれる経営者」こそ、より信用できる存在となります。
 異変を早期に共有することで、事業者・支援機関・銀行との対話というセーフティネットが機能し、傷が浅いうちに再生の道を探ることが可能になります。

労務の視点:管理業務の「属人化」が引き起こすリスク

 月次で精緻な数字を出すためには、経理・総務部門の体制強化が不可欠です。ここで壁となるのが「属人化」です。
「経理の〇〇さんがいないと数字が出ない」「エクセルが複雑すぎて本人しか分からない」という状態のままこの制度を導入すると、特定の従業員が休んだ時に報告義務が果たせなくなり、会社の信用を毀損する事態を招きかねません。
 
 管理コストの増加をそのまま従業員に対応させると現場は疲弊し、貴重な人材を失うことになります。
 経営者が向き合うべきは、数字そのものだけでなく、その数字を作る会社の「体制」です。

まとめ

 第2部では、モニタリングがもたらす管理を整理しました。
財務的には「定期的な報告」、労務的には「属人化からの脱却」という課題がありますが、これは企業の体質改善に欠かせないプロセスです。
 第3部では、これらの課題を乗り越え、制度を「会社の成長エンジン」に変える対策について考察します。

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江崎充豊
専門家

江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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