幼稚園年長〜小3生の『読み聞かせ』のメリット

篠田啓彦

篠田啓彦

テーマ:コース/授業スタイル

こんにちは。

国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田啓彦です。

今回は、「幼稚園年長〜小3生の『読み聞かせ』のメリット」についてお話をさせていただきます。

幼稚園年長(5〜6歳)から小学3年生(8〜9歳)は、「自分で読む力」がまだ十分に固まりきっていない一方で、「耳で理解する力」は非常に伸びる時期です。


この時期の『読み聞かせ』は、単なる楽しみではなく、学力・情緒・人間形成の土台をつくる非常に重要な営みだと、多くの教育研究で指摘されています。

以下、教育的な利点を整理してご説明します。

年長〜小学3年生


⑴ 語彙力が飛躍的に増える


お子さんは、自分で読める文字数・漢字数には限界があります。


しかし、『読み聞かせ』なら、自力ではまだ読めない少し難しい言葉にも触れられます。

たとえば
  「しんけんな顔」
  「ひっそり」
  「とつぜん」
  「くやしい」
  「ほっとする」
です。

こうした日常会話ではあまり使わない語彙を、物語の文脈の中で自然に覚えていきます。

そして、語彙が増えると、その後の国語の読解力・作文力・会話力が大きく変わります。

研究でも、『読み聞かせ』は語彙獲得・文法理解・聞く力の向上に有意な効果があるとされています。



⑵ 「長い文」を理解する耳が育つ


この年齢のお子さんは、短い会話文は理解できても、説明的・叙述的な長文を理解する力はまだ未熟です。

読み聞かせでは、お子さんは
  「主語と述語の関係」
  「時間の流れ」
  「因果関係」
  「登場人物の気持ちの変化」
を「耳」で追います。

つまり、『読み聞かせ』は文章を頭の中で組み立てる訓練になっています。

自分で読むよりも、聞く理解の方が先に育つため、この時期は「聞いて文章世界を理解する経験」が非常に大切です。

これは後の
  「説明文読解」
  「先生の話を聞いて理解する力」
  「授業集中力」
の基盤になります。


⑶ 想像力・映像化能力が育つ


テレビや動画は映像を受け取るだけですが、『読み聞かせ』は違います。

子どもは言葉を聞きながら
  「森の様子」
  「主人公の表情」
  「雨の音」
  「怖い場面」
  「嬉しい場面」
を頭の中に映像として作ります。

この「見えないものを思い描く力」は
  「読解力」
  「創造力
  「問題解決力」
  「数学の文章題理解」
にも関係すると言われています。

つまり、『読み聞かせ』は、頭の中に映画を作る訓練なのです。


⑷ 集中して聞く力(学習姿勢)が身につく


幼稚園年長〜小3は、まだ注意が散りやすい時期です。

しかし毎日読み聞かせを受けている子は
  「人の声を最後まで聞く」
  「話の流れを追う」
  「次を予想する」
  「静かに待つ」
という「学習の姿勢」が自然に身につきます。

教育現場でも
「『読み聞かせ』に慣れている子は授業の聞く姿勢が違う」
とよく言われます。

これは単に本好きになるだけでなく、学校教育に必要な受信力を育てているのです。


⑸ 心情理解・共感力が育つ


物語には必ず
  「悲しい」
  「悔しい」
  「うれしい」
  「迷う」
  「がまんする」
  「許す」
など多様な感情があります。

読み聞かせで子どもは主人公になりきり、
  「この子、かわいそう」
 
  「なんで怒ったのかな」
 
 「ぼくならこうする」
と他者の心を追体験します。

この追体験が
  「共感力」
  「思いやり」
  「感情語の理解」
  「自己理解」
につながります。

特に幼児〜低学年は、まだ自分の感情を言語化しにくい時期なので、物語が「心の辞書」になるのです。


⑹ 親や教師との信頼関係が深まる


『読み聞かせ』は、教育技術であると同時に、一対一の心の交流でもあります。

大人の声を聞きながら同じ物語世界を共有することで
  「安心感」
  「愛着」
  「情緒の安定」
が生まれます。

近年の研究でも、『読み聞かせ』には認知面だけでなく社会情緒面のプラス効果があるとされています。

「教師(親)と本を読む時間=安心な時間」になると、子どもは言葉そのものを好きになります


⑺ 「本は楽しいものだ」という原体験になる


低学年までに最も大事なのは「読む訓練」以前に、本に対して良い感情を持つことです。

読書を
  「勉強」
  「宿題」
  「テストのため」
として出会う子と、
  「面白い」
  「ワクワクする」
  「笑える」
  「泣ける」
として出会う子では、その後の読書量に大きな差が出ます。

読書習慣や自己肯定感にも好影響が報告されています。

『読み聞かせ』は「本=楽しい」という感覚を植えつける最良の方法です。


⑻ 実は、小3頃までは「読んでもらう」価値がまだ大きい


「もう自分で読めるから読み聞かせは不要」と思われがちですが、これは少し違います。

小3でも
  「文字は読める」
  「でも内容理解は浅い」
という子は多いのです。

大人が読んであげることで、子どもは自力読書のレベル以上の内容世界に入れます。

つまり、『読み聞かせ』は「読む力を先取りして、理解の器を広げる」役割を持っています。


⑼ まとめ


まとめると――読み聞かせの最大の利点は何か

一言でいえば、「ことばの力」と「心の力」と「学ぶ姿勢」を同時に育てられること」です。

幼稚園年長〜小学3年生は、まさにこの三つの土台形成期です。

『読み聞かせ』は
 「国語力の準備」
 「想像力の準備」
 「情緒の準備」
 「読書習慣の準備」
 「人間関係力の準備」
を一度にしているわけです。

教育者の立場から言うと、この年代への『読み聞かせ』は、「将来の読解力を作る先行投資」と考えてよいと思います。

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篠田啓彦
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篠田啓彦(塾講師)

国語専門オンライン学習塾 啓理学舎

保護者の方にお子さまとの接し方等をアドバイスさせていただくとともに、国語が苦手なお子さまでも特別な学習方法で真の「国語力」が身につき、さらに各教科の成績向上、中学・高校合格へ導いている。

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