幼稚園年長〜小3生の『読み聞かせ』のメリット
みなさん、こんにちは。
国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田啓彦です。
今回は、「シルバー世代の『会読』をする7つのメリット」についてお話しさせていただきます。
ちなみに、『会読(かいどく)』とは、一冊の本をみんなで声に出して読み、解釈し、語り合うことです。
「シルバー世代が会読をするメリット」は、単なる読書以上に大きいです。
『会読』をすることにより、高齢期に必要な「 脳」「心」「人間関係」「生きがい」 の四つを同時に刺激します。
近年の高齢者研究でも、読書・音読・対話・社会参加が認知機能維持に有効であることが報告されています。
目次
⑴ 認知機能の維持・脳の活性化
一人で黙読するより、『会読』は脳を広く使います。
『会読』では、
「文字を目で追う(視覚)」
「声に出す(言語運動)」
「自分の声を聞く(聴覚)」
「内容を理解する(思考)」
「他人の意見と比べる(判断)」
「自分の考えを話す(記憶検索・表現)」
という複数の作業を同時に行います。
すなわち、『会読』をすると脳の前頭葉・側頭葉・記憶系が総動員されます。
高齢者の音読活動や読み聞かせ活動が、認知機能維持に良い影響を与えたという研究もあります。
つまり、『会読』は「脳の総合体操」になるのです。
⑵ 記憶力・理解力が深まる
一人で読むと「読んだつもり」で終わることが多くなります。
しかし、『会読』では、
「この一文はどういう意味か」
「なぜこの言葉を使っているのか」
と立ち止まります。
さらに、他人の意見を聞くことで、
「あ、そんな読み方があるのか」
と記憶に強く残る。
「読む→考える→話す→聞く」この反復で内容が定着します。
高齢者には「入力だけ」より「入力+出力」の方が脳刺激が大きいと言われています。
『会読』では、この「入力+出力」の両方を行うため、記憶力と理解力が深まるのです。
⑶ 孤独の解消・仲間づくり
シルバー世代の大きな課題は「孤立」です。
定年後は
「職場の人間関係がなくなる」
「子どもが独立する」
「外出機会が減る」
ことで、会話量が急激に減ります。
『会読』は自然に
「同じ本を読む仲間」
「同じ問いを考える仲間」
「毎週会う楽しみ」
を作ります。
ただ雑談するよりも、「共通のテキスト」があるので会話がしやすいのです。
つまり、『会読』は高齢者の社会参加として非常に価値が高いと言えます。
⑷ 「まだ成長できる」という実感が持てる
高齢期はどうしても
「体力が落ちる」
「仕事を退く」
「社会的役割が減る」
ため、「自分は衰えるだけ」と感じやすいです。
しかし『会読』では、
「難しい文章が読める」
「古典の意味が分かる」
「人の前で話せる」
ようになります。
つまり、『会読』をすることによって「年をとっても知的に伸びている感覚」が得られます。
これは非常に重要です。
人は「成長感」があると気力が保たれます。
⑸ 人生経験が読書を深くする(若者にはない強み)
これはシルバー世代特有の利点です。
例えば
「親子の話」
「夫婦の話」
「別れの話」
「老いの話」
「人生の執着の話」
こうした文章は、若い人よりも深く実感できます。
長く生きてきた分だけ、
「この一節は自分の体験とつながる」
という読みができる。
つまり『会読』は、本を読むと同時に、自分の人生を読み直す作業になるのです。
⑹ 話す力・聞く力が保たれる
高齢になると、
「語彙が出にくい」
「文章がまとまりにくい」
「人の話を聞く集中力が落ちる」
ことがあります。
『会読』では毎回、
「順番に読む」
「意見を述べる」
「他人の意見を受け止める」
ので、自然に言語能力が維持されます。
『会読』は、日常会話力の維持にもつながります。
⑺ 生きがい・精神の張りが生まれる
人は「次に集まる予定」があるだけで生活に張りが出ます。
「今週はここを読もう」
「次回は何を話そう」
「この言葉を考えておこう」
という準備が日常を前向きにします。
『会読』は、単なる暇つぶしではなく、知的な使命感のある趣味になるのです。
なぜ『会読』が特に優れているのでしょうか?
シルバー世代向けの活動には
「体操」
「カラオケ」
「手芸」
「旅行」
などありますが、『会読』は珍しく身体・脳・心・社会性・精神性を同時に使う活動だからです。
しかもお金もあまりかからず、年齢制限もなく、長く続けられる。
非常にコストパフォーマンスの高い文化活動です。
特におすすめなのは「名文・古典」の『会読』です。
シルバー世代には軽い娯楽本よりも
「論語」
「ブッタのことば」
「福音書」
「徒然草」
「方丈記」
「歎異抄」
のような、人生を扱う本が向いています。
なぜなら、老年期は「知識」より「人生の意味」を求める時期だからです。
深い文章ほど、仲間との対話が生きてきます。
一言でいうと、シルバー世代の『会読』は、「老いを防ぐ」だけでなく、「老いを豊かにする」営みです。
脳の健康法であり、仲間づくりであり、人生の再編集でもあります。


