中学生が『会読』するメリット
みなさん、こんにちは。
国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田です。
今回は、「小学4〜6年生が『会読』するメリット」についてお話をさせていただきます。
小学4〜6年生が『会読(かいどく)』をすることには、単なる「音読」以上の大きな教育的効果があります。
特に高学年になると、言葉の理解力・対話力・思考力が伸び始めるため、会読はとても有効です。
目次
『会読』とは?
一般的に『会読』と言われるものは、みんなで同じ文章を読み、声を合わせたり、順番に読んだりしながら、内容について考え合う学び方です。
たとえば、
「一文ずつ交代して読む」
「全員でそろえて読む」
「意味を話し合う」
「感想を共有する」
などを含みます。
江戸時代に藩校等で実際に実施されていた教育方法で、現在でも大学のゼミ等で行われています。
弊塾では、『会読』を以下のように定義しています。
『会読』とは、複数人で一つのテキスト(岩波文庫)を一緒に読み、その内容を検討、解釈し合う学習方法。
それでは、高学年(小学生)が会読をするメリットを述べたいと思います。
① 読解力が深くなる
一人読みでは流してしまう言葉も、みんなで読むことで立ち止まって考えられます。
例えば、
「この言葉、どういう意味?」
「なぜ主人公はこう言ったの?」
「この場面の気持ちは?」
と自然に考えるようになります。
高学年は「表面理解」から「深い理解」へ進む時期なので、会読はとても効果的です。
② 語彙力・表現力が増える
友達の読み方や言葉の使い方を聞くことで、
「新しい言葉」
「言い回し」
「感情表現」
「リズム」
を自然に吸収できます。
特に古典・名文・物語では、美しい日本語に触れられることができるため、語彙力・表現力が身につきます。
③ 高度な国語力を身につけることができる
『会読』は、語句の意味を確認、難解な表現をみんなで意見を出し合いながら、読み進めていきます。
そのため、高度な国語力を身につけることが可能になります。
④「人の話を聞く力」が育つ
『会読』では、「自分だけ読めば終わり」ではありません。
友達の読む声を聞き、内容を共有しながら進みます。
そのため、「集中して聞く力」「相手を待つ力」「協調性」が育ちます。
これは高学年で非常に重要な力です。
⑤ 自信がつく
一人で読むのが苦手な子でも、みんなと一緒なら読みやすくなります。
また、
「上手に読めた」
「意味がわかった」
「自分の意見を言えた」
という『会読』の経験が積み重なり、学習への自信になります。
⑥ 思考力・対話力が育つ
高学年では、「正解を当てる」だけでなく、
「なぜそう考えたのか」
「他の考え方はあるか」
を話し合うことが重要になります。
『会読』では自然に、
「比較する」
「理由を考える」
「他者の意見を聞く」
という訓練になります。
このような思考力・対話力は、中学生以降の学習の土台になります。
⑦ 古典や名文への抵抗感が減る
難しい文章でも、みんなで声に出して読むと、
「リズム」
「響き」
「言葉の美しさ」
を体で感じられます。
すると、
「難しい」→「なんだか面白い」
へと変わっていきます。
『会読』をすることにより、古典に親しむ大きなきっかけになります。
⑧ リベラルアーツが身につく
「リベラルアーツ」とは、多角的な視点や思考の土台を築くことです。
『会読』を通して、日本にある思想を客観化し、世界の宗教・思想の源泉を知ることができます。
「論語」を読むと、日本の思想に近いものがあり、納得しやすい部分が多いのです。
「新約聖書」や「旧約聖書」を読むと、日本人の常識的な感覚とはかなりズレるところがあり、議論をすると大変興味深いものがあります。
⑨ 大学入試に強くなる
「啓理学舎」の『会読』では、「岩波文庫」の書籍で実施いたします。
その理由は、2つあります。
1つ目は、テキストの信頼性が高いということです。
岩波文庫の筆者は、その分野では一流と言われる人だからです。
また、注釈や解説が充実していることも理由にあげられます。
2つ目は、岩波文庫の執筆者と大学入試の問題作成者が「同じ人材層」であることが多いということです。
詳しく説明すると、以下になります。
○海外の古典の翻訳者(哲学・思想・宗教)の解説を書く研究者は、学会のトップ層(大学教授・研究機関の専門家)であることが多い。
○大学入試(特に難関大学)問題は、各大学の教授、その分野の専門研究者が作成することが多い。
つまり、岩波文庫で『会読』をすることにより、入試の文体に早くから慣れることができるということになります。
⑩ まとめ
小学4〜6年生の『会読』は、
「読解力」
「語彙力」
「思考力」
「対話力」
「集中力」
「協調性」
「古典への親しみ」
を同時に育てる、とても優れた学習法です。
特に高学年は、
「一人で読む」から「他者と共に読み、考える」
へ成長する時期なので、『会読』の効果が大きく現れます。



