会社員も初年度は自分で申告。住宅ローン控除の確定申告を早めに済ませる3つのメリット

高橋徹夫

高橋徹夫


年が明けると、「住宅ローン控除の確定申告、どうすればいいですか」というご相談が一気に増えてきます。不動産仲介と住宅ローンのご相談を承っていると、書類が足りずに何度も税務署へ足を運ぶことになった方や、控除を受けられるはずなのに申請を忘れていた方のお話を耳にします。物件購入の喜びの直後に、慣れない手続きで疲弊してしまうのは、本当にもったいないことだと感じます。

住宅ローン控除は、入居した年の翌年に確定申告を行うことで、所得税や住民税から税額が直接差し引かれる、住宅取得者にとって大きな負担軽減につながる制度です。だからこそ、申請の段取りで損をしないよう、早めに準備していただきたいと思っています。

このコラムでは、物件を購入された方が確定申告でつまずかないよう、私が現場でよくお伝えしているポイントを整理してお届けします。

住宅ローン控除の申請は確定申告期限内に

物件購入者の方からよくいただくのが、「会社員でも自分で申告しないといけないんですか?」というご質問です。これは多くの方が誤解されているところで、初年度(入居した年の翌年)は会社員の方であっても、ご自身で確定申告を行う必要があります。2年目以降は、給与所得者であれば勤務先の年末調整で続けられるケースが一般的です。

2025年(令和7年)中に入居された方の場合、確定申告の期間は2026年2月16日~3月16日でした。例年であれば3月15日が期限ですが、2026年は15日が日曜日のため翌日にずれて、3月16日が最終日となりました(出典:国税庁「令和7年分 確定申告特集」)。

ここでお伝えしたいのは、住宅ローン控除のように税金が戻ってくる「還付申告」については、申告対象期間の翌年1月1日から受付が始まり、5年以内であれば申告できるという点です。つまり、必ずしも2月16日まで待つ必要はなく、書類が揃った時点で1月から手続きを進められます。私のお客さまには、1月中に書類を整えて、税務署が混み始める前に動き出すことをお勧めしています。

確定申告で必要な書類と物件購入者の落とし穴

初年度の確定申告でつまずく方の多くは、書類の準備で時間を取られています。私が現場でご案内するときに「先に集めておきましょう」とお伝えしているのは、次のような書類です。

・確定申告書(給与所得者の場合は源泉徴収票が必要)
・住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・金融機関からの住宅ローン年末残高証明書
・建物・土地の登記事項証明書
・売買契約書または建築工事請負契約書の写し
・マイナンバーが確認できる書類(マイナンバーカードなど)
・住宅の性能を証明する書類(省エネ基準適合住宅等の場合)


特に2024年以降に新築の建築確認を受けた住宅については、原則として省エネ基準への適合が住宅ローン控除の要件となりました。そのため、住宅省エネルギー性能証明書や認定通知書の写しなど、住宅の性能を示す書類が新たに必要になっています(出典:国土交通省「住宅ローン減税」)。中古住宅の場合は、また別の書類(耐震基準適合証明書など)が必要になることもあり、ここがご自身で進めると迷いやすいところです。

一度税務署に行ってから「この書類が足りませんね」と言われ、また後日出直して、というケースは本当によくお聞きします。物件購入時の重要事項説明や契約書類の中に、確定申告で使う情報がすでに含まれていることが多いので、私のところでは引き渡しの段階で「この書類は必ず保管しておいてください」とお伝えしています。後から探し回らずに済むよう、引き渡し時の書類一式をひとまとめにしておくのがおすすめです。

早めの準備で得られる3つのメリット

「申告期限ぎりぎりでもなんとかなるんじゃないか」と思われる方もいらっしゃいますが、私が早めの準備をお勧めしている理由は、大きく3つあります。

1.確定申告時期の混雑を避けられる

2月後半から3月にかけての税務署は、本当に混み合います。相談の順番待ちで半日仕事になってしまうこともあり、平日にお仕事をされている方ほど負担が大きくなります。1月のうちに書類を揃え、e-Taxで提出するか、すいている時期に税務署に行くという選択肢を持てると、ご家族の予定にも余裕が生まれます。

2.何度も税務署へ足を運ばずに済む

先ほど触れたとおり、書類の不足や記入漏れがあると、税務署を再訪することになります。事前に必要書類のチェックリストを作って一気に揃えておけば、訪問は基本的に1回で済みます。e-Taxを利用される場合も、画面の案内に沿って入力していけば、申告書の控えとともに「提出すべき書類」が表示されるので、書類の取りこぼしを防ぎやすくなります。

3.控除を受けられないリスクを避けられる

一番避けたいのは、要件を満たしているのに申請を忘れて控除が受けられない、というケースです。住宅ローン控除は10年〜13年にわたって続く制度ですから、初年度の申告でつまずくとその影響は長く尾を引きます。還付申告自体は5年以内であれば後からでも可能ですが、忘れたまま気づかずに過ごしてしまう方も実際にいらっしゃいます。

行政の相談対応に関わってきた経験からも、「もう少し早く情報が届いていれば」と感じる場面は本当に少なくありませんでした。情報は早く届くほど、選択肢を残せます。

控除額を事前に把握する横浜の住宅購入相談

もう一つ、今すぐ取り組んでいただきたいのが、「自分はいくら控除されるのか」を事前に把握しておくことです。これを把握しておかないと、申告のときに「思ったより少なかった」「住民税からも控除されると思っていた」といった食い違いが起こります。

住宅ローン控除の基本的な仕組みは、各年末時点の住宅ローン残高の0.7%を、新築なら最大13年間、所得税(一部は住民税)から控除するというものです(出典:国土交通省「住宅ローン減税」)。借入限度額は、住宅の省エネ性能や、子育て世帯・若者夫婦世帯に該当するかどうかで変わってきます。たとえば長期優良住宅・低炭素住宅では、子育て世帯等が2025年(令和7年)に入居した場合に5,000万円、その他世帯では4,500万円が借入限度額の目安となります(出典:国土交通省「住宅ローン減税」)。

ここで誤解が生まれやすいのが、「借入額上限まで控除になるわけではない」という点です。実際には、ご自身が納めている所得税と住民税の金額が控除の上限になります。所得税で引ききれなかった分は翌年の住民税から差し引かれますが、その住民税からの控除にも上限額(課税総所得金額等の5%相当額、上限97,500円)が設けられています(出典:国税庁、総務省)。年収や家族構成、ふるさと納税の利用状況によって、実際に手元に戻る金額は大きく変わってくるのです。

私のところでは、物件の購入をご検討いただく段階から、年収・借入予定額・家族構成をお伺いして、住宅ローン控除でどのくらい戻ってきそうかをおおまかに見ていただくようにしています。住まいの予算を考えるとき、月々のローン返済額だけでなく、控除で戻ってくる分も含めて家計全体で見ると、無理のない計画が立てやすくなります。横浜市旭区・希望が丘エリアを中心に、こうした「住まいとお金」のご相談を継続的にお受けしていますので、ご自身のケースが知りたいという方はぜひお気軽にご相談ください。

・住宅ローン控除の確定申告が初めてで、何から始めればよいか分からない
・ご自身が受けられる控除額の目安を把握しておきたい
・横浜市周辺で住まいの購入後も継続的にお金の相談ができるパートナーを探している


このようなことでお困りの場合は、ワンフィニタス株式会社(ONE FINITAS)まで。

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高橋徹夫
専門家

高橋徹夫(不動産業)

ワンフィニタス株式会社 -ONE FINITAS-

ヒアリングを通じて顧客の意図を整理し、要望に合う不動産を厳選して提案。初回相談で方向性が定まるケースも多く、その後も人生設計や資産運用を見据え、住まいとお金の課題に継続的に向き合います。

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