ネットの最安金利を鵜呑みにした住宅ローン失敗パターンと回避法

高橋徹夫

高橋徹夫


「ネットで調べたら、この銀行が金利最安だったので決めました」

住宅ローンのご相談をお受けしていると、こうした言葉をよく耳にします。一見、賢い選び方に思えるのですが、数か月後にご相談に来られたときには、毎月の返済額が生活費を圧迫してしまっている、というケースが珍しくありません。

私自身、注文住宅メーカーでの営業時代から不動産仲介、FP業務を通じて、住まいとお金の両面でご相談をお受けしてきました。今回は、ネットやチラシ情報を鵜呑みにした結果、固定費に苦しむことになってしまった…。そんな失敗パターンをご紹介しながら、どうすれば防げるのかについて、お伝えします。

ネット情報を鵜呑みにしたことで起きる住宅ローンの失敗

相談者の中にも驚かれることが多いのですが、ネットやチラシに載っている「最安金利〇%」や「月々◯万円台」という数字は、必ずしも全員に当てはまる条件ではありません。

広告に表示されている金利は最優遇金利と呼ばれる、「もっとも条件が整った方だけが適用される」金利です。年収、勤続年数、他の借入状況、頭金の比率など、これらの条件をすべて満たして初めて到達できる数字なのですが、ご本人がそれを知らずに「自分もこの金利で借りられる」と思い込んでしまうことが、本当に多いのです。

また、チラシでよく見かける「月々◯万円台で購入可能」という表現も注意が必要です。多くの場合、ボーナス払いの併用や、変動金利の現時点の数字、あるいは長期間の返済を前提とした試算になっています。表示されている金額だけを見てこれなら払えると判断してしまうと、あとから固定資産税や管理費、修繕積立金、保険料といった付随コストに圧迫されてしまうのです。

費用を抑えたいというお気持ちは、私もよく理解できます。だからこそ、目に見える数字だけで判断してしまわないようにしてほしいと思います。

固定費が生活費を圧迫する仕組み

住宅ローンが家計を圧迫してしまう本当の理由は、借りられる額と無理なく返せる額の差にあります。

金融機関が審査で示してくる借入可能額は、あくまでも返済負担率(年収に対する返済額の割合)の上限から逆算した数字です。多くの場合、年収の30〜35%まで借りられるよう設計されていますが、これはぎりぎり返せるラインであって、ゆとりを持って生活できるラインではありません。

無理のない住宅ローンとは、毎月の手取り収入に対して返済額が25%以内に収まり、なおかつ教育費・老後資金・予備費を貯蓄に回せる状態のことを指します。借入可能額の上限まで借りてしまうと、お子さまの進学やご自身の収入変動、設備の修繕といった想定外が起きたときに、一気に家計が回らなくなってしまうのです。

先日も、ネットで紹介されていた金融機関でローンを組んだ後にご相談に来られた方がいらっしゃいました。当初は金利が低いから大丈夫と思っていたものの、変動金利の見直しタイミングや繰上返済の手数料といった条件まで考慮されておらず、結果として総支払額では他の選択肢より高くなってしまうケースだったのです。

FP視点で選ぶ無理のない住宅ローン

では、どうすれば固定費に苦しむ住宅ローンを回避できるのか。答えはシンプルで、購入を決める前にFP(ファイナンシャル・プランナー)の視点を持った担当者に相談することです。

FP視点での住宅ローン選びとは、金利の数字だけを比較するのではなく、ライフプラン全体の中で住居費にいくら配分するのが妥当かを逆算して判断する考え方のことです。お子さまの教育費がピークを迎える時期、ご自身の収入カーブ、退職金の見込み、老後の生活費など、こうした要素をすべて踏まえた上で、無理のない返済額を決めていきます。

私自身、AFPの資格を持ち、不動産仲介とファイナンシャルコンサルティングを一体で提供してきました。住宅ローンの選定だけでなく、生命保険の見直しやNISAなどの資産運用、借り換えのご相談まで、住まいとお金の両面から伴走するスタイルを大切にしています。

特に意識しているのは、家を売って終わりではなく、家を買ったあとの暮らしまでを見据えてご提案することです。お引き渡し後も、家計の状況やライフイベントに応じて見直しのご相談をお受けしています。

相談すべきタイミングと担当者の選び方

いつ相談すべきか?というご質問もよくいただきます。物件を探し始める前、もっと言えば、家を買おうかなと頭をよぎった段階が理想的なタイミングです。

多くの方は、気に入った物件が見つかってから住宅ローンの相談を始められます。しかしその順番だと、すでに気持ちが物件に傾いているため、無理な返済計画をなんとかなると受け入れてしまいがちです。先に家計の体力と無理のない返済額を把握しておけば、物件選びの段階で予算オーバーを客観的に判断できるようになります。

担当者を選ぶ際にぜひ確認していただきたいのは、宅地建物取引士などの不動産系の資格に加えて、FP資格を持ち、相談実績があるかどうかです。不動産の知識だけでも、お金の知識だけでも、住宅ローン選びは片手落ちになってしまいます。両方の視点を持った担当者であれば、目先の金利だけでなく、ご家庭の長期的なお金の流れまで踏まえた提案ができるのです。

横浜市を拠点にしている当社では、ご来店でのご相談はもちろん、遠方の方からのオンラインでのご相談もお受けしています。

・ネットやチラシの情報だけで住宅ローンを決めることに不安を感じている
・毎月の返済額が生活費を圧迫していないか、客観的に見直したい
・これから住まい探しを始めるにあたり、お金の専門家と一緒に資金計画を立てたい


このようなことでお困りの場合は、当社まで、まずはお気軽にご相談ください。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

高橋徹夫
専門家

高橋徹夫(不動産業)

ワンフィニタス株式会社 -ONE FINITAS-

ヒアリングを通じて顧客の意図を整理し、要望に合う不動産を厳選して提案。初回相談で方向性が定まるケースも多く、その後も人生設計や資産運用を見据え、住まいとお金の課題に継続的に向き合います。

プロのおすすめするコラム

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

不動産と資産設計を支える住まいとお金の専門家

高橋徹夫プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼