思春期の入り始め 子育てで心がざわっとする時
「ピアノを習わせると、
結局お母さんが練習を見なきゃいけないんですよね……?」
「うちはそういうのがストレスになりそうで……」
体験レッスンで、こんな声を時々いただきます。
たしかに、
「ピアノ=家で練習させなきゃいけない習い事」
そんなイメージがあるかもしれません。
でも私はいつもこうお伝えしています。
「お母さんが“練習させる”必要はないですよ。」
なぜなら
子どもが“やらされて”育った習い事は、
どこかで必ずうまくいかなくなるからです。
30年以上、子どもたちと向き合ってきて確信しているのは、
いくら小さい頃に“きっちり練習させる”環境を整えても、
本人が「なぜ練習するのか」「何のために弾くのか」がわからないと、
途中でモチベーションが消えてしまうのです。
むしろ大事なのは、
練習を「やらせること」ではなく
音楽の楽しさや、自分から弾きたいと思える気持ちを育てること
そのために必要なのは、
特別なスキルではありません。
日々のちょっとした声かけや、関わり方のコツなのです。
たとえば、こんなふうに声をかけてみたお母さんがいます。
「昨日よりちょっと弾けてる、それ素敵な曲ね!」
「昨日のこの曲、ママ好きだわ〜どう思う?」
たったそれだけで、
それまで「ピアノなんてやりたくない」と言っていた子が、
「もう1回弾いてみる!」とピアノを開くようになったのです。
ピアノは、技術だけでは育ちません。
お母さんの関わり方が、
子どもの“心のエンジン”を動かしてくれるのです。
次回は、
「どんな関わり方をすると、子どもは自分から動きたくなるのか?」
について、もう少し詳しくお話ししますね。
お母さんがピアノを「がんばって管理するもの」ではなく、
「親子で成長を楽しめる場」に変えていける
そんな関係性、いっしょに育てていきませんか?



