貧乏ゆすりが出てきたら、サインです!
音楽教室の先生として、音楽を教えるだけでなく、
生徒さんの心の成長に寄り添う機会はたくさんあります。
私の教室に通うある男の子のエピソードをお話ししたいと思います。
努力家で、少し不器用な生徒さん
男の子と出会って、もう丸3年。とても真面目で、一生懸命な生徒さんです。
決して要領よくパパッと動けるタイプではありません。
むしろ、一つひとつのことに時間をかけて取り組む子。
だからこそ、「努力でカバーする力を持っている素晴らしいお子さんですと
お話ししていました。
新しい家族が増えたときの変化
半年前、彼はお兄ちゃんになりました。
ちょうど発表会の練習の最中で、お母さんはとても心配されていました。
「見てあげることができないかもしれません…」
でも私は、彼ならきっと大丈夫!だと思っていました。
自主学習の仕方を伝えていたので、
産休明けでレッスンに戻ってきたとき、
彼はしっかり曲を仕上げてきたのです。
私のすることはもう何もない!というほど(笑)
おまけに、もう1曲追加し、連弾まで挑戦できました。 
学校生活での悩みと、ママからのSOS
そんな彼ですが、日常生活では多くの悩みを抱えていました。
学年末、ついに担任の先生から個人面談の連絡が。
「学校ではこれ以上の支援はできません」と言われたそうです。
その後、お母さんからSOSのメッセージが届きました。
「どうしたらいい?どうすべきなのでしょう?」
話を聞いてみると、こんな状況が続いていました。
・ 突然友達を突き飛ばす
・言葉で嫌がらせを受けたり、相手を怒らせたりする
・ 先生やお母さんが間に入って「どうして?」と聞くと、「覚えていない」としか答えない
でも、彼は決して乱暴な子ではありません。
むしろ、周囲からいじめられるのではないかと心配するくらいの繊細なタイプ。
頑張りすぎてしまう子どもたち
お母さんは、そんな彼の行動をすべて受け止め、
先生に説明し、相手のお友達に謝る…その繰り返しをしていると。
「話を聞きたいけど、本人は“覚えていない”としか言わないんです…」
私はお母さんと1時間半ほどお話をしました。
「何でも頑張ればできてしまう子どもは、頑張っている状態が“普通”とみなされてしまう。
その結果、周りが気づくのは、子どもが限界を超えて壊れてしまったとき
「忘れる」は、ひとつの症状かもしれません。
でも私は、それを 自己防衛 だと考えています。
忘れることで、無意識に自分を守っているのです。
ママの決断と、晴れやかな変化
お母さんはとても学びの深い方ですが、それでもこの問題は難しかったそうです。
ただ、いくつかのアドバイスをお伝えしたところ、その後の行動が驚くほど早かった!
そして先日、お母さんと彼の晴れやかな笑顔に再会しました。
「もっと早く知りたかった」
お母さんはそうおっしゃっていました。
私も、自分の子育てで同じ経験をしました。
だからこそ、子どもの 個性を受け入れるマインド が
どれほど大切かを痛感しています。
学校という集団生活の中で、心がくたびれている子どもはいませんか?
そんな子どもたちにとって、ピアノの個人レッスンは「唯一、自分らしくいられる時間」かもしれません。
先生として、私たちができることは 「君は君のままで素晴らしい」というメッセージを、
音楽を通じて伝えること。
「できたね」「よく頑張ったね」「そのままで大丈夫だよ」
ぜひ、そんな温かい言葉をかけながら、生徒さんの心に寄り添っていきましょう。
音楽は、心を育てる力があります。
私たち音楽教室の先生だからこそ、生徒の自信と安心を育む存在になれるのです。
あなたのレッスンが、生徒さんにとって 「安心して自分を表現できる場所」になりますように。
ご相談は法人HP[お問い合わせ]から
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