発達障害を心配するお子様へ  ピアノの効果とは

三上緑

三上緑

テーマ:個性に合わせた子育てプランニング

昨日、NHKの特集で療育に繋がれない子供が増えているという問題提起をしていました。

我が家の子育ても、後にそこを痛感した物です。
私たちが携わっているピアノやバイオリンのお稽古は、
基本的に個人のレッスンという形になります。

ですから、
幼稚園や学校という集団生活で見出してもらいにくい才能を磨くことができるのです。


特別緊張が強かったり、うまく言葉で歌えられなくて、
友達とトラブルを起こしてしまいがちだったりと、
本人の努力だけでは改善が難しい問題を抱えているお子さんが、誰からもサポートが受けられず、放置されているケースがあるという事実。


音楽が好きなお子さんならば、
楽器のレッスンを通して得られる事は、
たくさんあると思います。



あるお子さんのケースから、
この記事では得られる効果についてお伝えいたします。








新しいことにチャレンジする事は思いの外大変



小さな頃から音楽を楽しそうに聴いていた。
たまに見よう見まねで楽器を叩いたりするので、
きっとピアノのお稽古は好きだと思うのです。

でも、とても慎重で、教室に来ることができるかどうか‥
でも、音楽はきっと人生のどこかで助けになると思うから、
レッスンをお願いできないかと考えているのです。



お母様はそう言って、
お姉さんのレッスンについてきた弟くんを
紹介してくださった。
ママの後ろにほとんど隠れていて、挨拶もできなかったけれど、
恐る恐るこちらを見でいました。

しかし、3分が限界で落ち着かなくなり、
慌ててひと足さきにお家へ帰っていました。



何回か、チャレンジしていた様ですが、
2、3回でその後まったく来なくなってしまいました。



その時が1年生入学した頃でしたから、
ちゃんとできる自分になりたい気持ちは育っていたものの、
新しいチャレンジはどうしても心配が多く、
苦手意識の方が勝ってしまっていたのでしょう。



この様なタイプのお子様は、
体験レッスンというシステムをどう使うか、
先生とよくご相談をした方が良いのです。

この先生が好きか、楽しくやっていけそうかどうかなど、
その場で判断する状態にはなかなかなれないからです。



また、たまたまその時びっくりする体験などをしてしまったら、
もう2度と来てくれないでしょう。
その上、新しい事への恐怖がまた1段大きな物と
インプットされてしまうので、気をつけましょう。



レッスンに参加しやすい配慮の工夫



3年生になった頃、久しぶりに弟くんの話が出ました。
自己流に楽しんでいるけれど、
やっぱりちゃんと習ってみたいと言っているとの
お話でした。

そこで、お母様と打ち合わせをしたのです。



今の状態を聞き、
どの様なことに不安を持つのかを推測しました。
そしてその事について、「君との約束」として
お母様からお伝えしてもらいました。

「わからないことは、絶対させません。安心してください。」
という事をどう伝えるのかなのです。



また、この子の場合は緊張が強いため、
皆と同じ40分では疲労してしまうのです。
「もう終わってしまったの?」というくらい
負荷を少なくしてスタートしました。
レッスンの内容も、不得意なことを見極め、
そこを頑張らせることは、初期は避けるべきです。



こうしてスタートした結果、お休みする事なく
ゆっくりとした彼のペースが掴めてきたのです。
心が安定し、多少の驚きも享受してくれるようになった頃から、力をつけるレッスンへと切り替えて行きました。






大きな宝物を手にした時の子どもの変化



そのお子さんは1曲ずつ作り上げると、
なんとも音楽性が際立ち素敵な世界を作りすのです。
ですから学校で先生方が、「ぜひ聞かせてほしい」と
お願いしてくれるのですが、
残念な事に「絶対人の前で弾くなん無理!」と断っていました。



私は、次は人の前でも弾くことができたら‥そう思いまして、
半年かけてプロジェクトを組みました。

無理はさせない。けれど諦めないこと

1歩1歩ですね。この個人に合わせた進め方は、
どんなお子さんにも必要なことで、
実は教育の原点ではないかと思うのです。



その年、発表会のホールで
お客様の前で彼は素晴らしい演奏をしました。
皆からの拍手と花束に、感激していました。
その日を境に、彼は変わりました。

翌日学校で皆の前で演奏を披露したと
学校から連絡が来てママが驚いていました。
街に置かれているピアノでは率先して弾き、
「上手ですね、と言われたんだ」などとよく報告してくれます。



また、小学校音楽の課外活動にも
参加し活躍しています。
以前の彼を知っている人は、信じられないと言います。



この様なタイプのお子さんは、
日常でなかなか「すごいね」と言われる機会が少なく、
小さな成功体験を積みにくいと感じます。
ピアノを習ったのだから、
ピアノが弾けるようになってよかったということはもちろんあります。




しかしそれ以上に、
このお子様のこれからの人生に、
自信の小さな原石が生み出されたのではないでしょうか。

成長していく中で、大きく育つと確信しています。



子どもの可能性を伸ばすとき、
画一的な方法ではフィットしないお子さんがいるのは当然です。

個人指導だからできることに、可能性を感じています。





こういうタイプの生徒にテキストはどう使ったのか。

どのように進めていくのか。

かなり細かい指導の技が必要だと思います。これまでの経験値の中で、今必要な支援を割り出すことができます。
指導者の方皆様が再現できるように、具体的な指導方法をお伝えしています。今、支援を必要としている生徒さんに届けてあげてくださいね、



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三上緑
専門家

三上緑(音楽教育家)

一般社団法人カラフルエデュ協会

繊細な子どもたちのやる気、才能を引き出す独自のコーチング「音いろはメソッド」「未来プランニング」を伝えている。勉強会や個別相談なども実施し、子どもの導き方支援・理想実現サポートを行う。

三上緑プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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