敏感な子 の習い事「先生の力」

三上緑

三上緑

テーマ:個性に合わせた指導で弾ける子に育てる

最近HSCという言葉を耳にすることが増えてきませんか。
「繊細さん」とも言われ、書籍も多く出版されてきました。

こちらは医学用語ではなく、医師からこの言葉を聞くことは無いのですが
書籍を読んでみると、なるほど、と思うことが多くあります。


体験レッスンで出会ったお子さんがHSCだったら



初めて教室でお会いする前に、繊細なお子さんだと知る由はありません。
ですが、もし緊張の強いお子さんならば、初めての場所、初対面の先生に会い
一体今日は何をするのだろう。うまくできるかな‥
緊張感を最大に感じながら来ているはずです。


ですから、もしかしたらそういうお子さんなのかなと感じたら、その心配を受け止めてください。
お返事ができない。お母様から離れられない。ちょっとした時に、ざっと真顔になる。
普通のお子さんが別に深く考えない所に、とても慎重に関わる様子が見られたら
繊細で敏感に感じる気質のお子さんなのかもしれません。


繊細さんなのかな?と感じたら



もしかしたら繊細さんなのかな?と感じたら、指導者はできるだけリラックスさせてあげることに注意を払う必要があります。教室に慣れるまでは指導内容をどんどん進めなくてはと考えたり、
音楽的なアプローチを高度にする事よりも、
お子さんがリラックスしていられる場に音楽教室を整える事の方が、重要だと考えています。

レッスンの流れが分かり、この先生は無理難題を言わない人なのだと信頼を寄せてくれる事。
それ無しに頑張ることはできません。


ですからお母様が「うちの子HSCなのかもしれない」と心配をしているのであれば、
体験レッスンの前に、相談をしていただけるととてもありがたいと思います。


不安という印象を一度持つとなかなかイメージの変更が難しい



ピアノを弾くという事は難しいのかもしれない。
他のお友達に比べて自分はあまり上手ではないかも。
教室で会うと友達はちょっと怖いかも。


など、悪しき印象を持たれないように全力で準備をしておくことをお勧めします。お母様が気に入ってくださったとしても、大人同士の話に没頭してしまい、お子さんは手持ち無沙汰。その空白の時間も苦痛であったりします。「ちょっとね‥」とお子さんが感じていたら、その後心を開いてもらうまで大変な道のりになります。


ピアノ教室は安心な場所であること。
何を相談してもまずは「聞いてもらえる場である」と感じてもらうこと。

決して、頑張れ!と無理なことをさせられることは無い。
自分の気持ちを受け止めてくれる。



このような信頼関係が築けるまでは、進めようと頑張る必要はありません。
心が落ち着けば、集中して力を発揮してくれます。少し無理難題を言っても、受け止める力がつき、場合によっては他のお子さんより熱心にレッスンに向き合ってくれる場合も多々あります。


大切なのは、初期の対応なのです。




素晴らしい感性を持っている子



もともと、音楽を聞いて美しいと感じる心。イマジネーションを膨らませて感動する力は、楽器を演奏する人には備えていてほしい感性です。


HSC敏感すぎるお子さんは、その心を持っているわけです。少し、キャッチするアンテナが高すぎるのですね。

環境を整え、安心して打ち込める様になれば、心を打つ音色を奏でられる様にきっとなります。
教室で見てきたお子さんの中にも、そんな生徒が何人もいました。たとえ、つかえながら弾いたとしても、端々にその子の心の色合いを感じます。


音楽をもしもしていなかったら‥
そのお子さんの素晴らしい才能に、気づかなかったかもしれないのです。周りの人にも、こんなに素晴らしい才能を持っている子なのだと、気づかれなかったかもしれません。



そう考えた時、私たち街の先生の重要性に背筋が伸びる思いです。

ぜひ、個々のタイプを見極める力、対応する方法を多くの先生に知っていただきたいと思います。




「連弾は楽しいよね」という思い込みにも一石を投じておきたいと思います。

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三上緑
専門家

三上緑(音楽教育家)

一般社団法人カラフルエデュ協会

繊細な子どもたちのやる気、才能を引き出す独自のコーチング「音いろはメソッド」「未来プランニング」を伝えている。勉強会や個別相談なども実施し、子どもの導き方支援・理想実現サポートを行う。

三上緑プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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