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コラム
補聴器は着けてすぐ良く聞こえる?
2019年11月30日 公開 / 2021年1月27日更新
「着けても、着けなくても大して変わらないよ」
「余計な音ばかり気になって、肝心な会話が聞き取れないよ」
お試しで貸出しをされた方々から、たまに頂く感想です。
ここで補聴器の使用を諦めてしまう方が非常に多いのですが、実にもったいない事なのです。
想像してみて下さい。
あなたは足を大怪我して、数ヶ月入院しています。
手術をして、骨にプレートを固定しました。
さぁ、明日から元気に歩き回れるでしょうか?
ましてや走れるでしょうか?
お分かりの通り、答えは「NO」ですね。
恐らく、立ち上がるのも困難という状況ではないでしょうか。
退院までの間にしっかり「リハビリ」していかなければ、筋力が衰えてしまっているうえに、
運動の感覚も鈍っているので、まともに歩けなくて当然。
難聴のケアにもリハビリが大事
借りた補聴器で会議に出席したけど、大して効果がなかった。
その評価は、手術して数日後に階段が上手く上がれなかった、と言っている様なもの。
聞こえにもリハビリ期間が必要です。
加齢による難聴の場合、聴力低下は気付かない内に徐々に進行しますので
「脳」は現在のきこえに慣れていきます。
補聴器をつけて、今まで聞こえていなかった細かな音が聞こえるようになると、
”聞きなれない音”がすると感じ、どうしてもそこに意識が集中しがちになります。
しかしもともと世の中には様々な音が溢れていて、私たちはその中で生活しています。
余計な音が多少あっても、意識しないように「脳」が処理してくれています。
普段会話をしている時、壁掛け時計の針のカチコチという音は気になりません。
しかし1人で静かな部屋で寝ようとして、なかなか寝付けないときは途端に気になりだします。
全ては「脳」の処理、意識の問題なのです。
難聴が進行するにつれ、脳は「難聴者の脳」に変化していきます。
補聴器をつけ始めてしばらくは、この「難聴者の脳」をだんだんと聞こえる脳にリハビリしていく期間。
初めて補聴器を使う方には、それなりに軽い調整から始めています。
そのため、つけても大して変わらないと評価を頂くことも多いのです。
焦ることなく、時間をかけてリハビリしていく気持ちが大切です。
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