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一寸木国博

「聞こえ」の悩み改善をお手伝いする認定補聴器技能者

一寸木国博(いちずきくにひろ) / 補聴器技能者

補聴器プラザ小田原

コラム

購入後3年たっても役立たずな補聴器

2022年9月14日

テーマ:補聴器一般

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: 難聴治療補聴器選び方難聴症状

オージオ

本日ご相談に来られたお客様

某メガネ店にて3年ほど前に約60万円で購入した補聴器が全く役に立たず、
つけても大して変わらない、むしろ雑音がうるさいとの訴えで来られました。

難聴レベルは中等度難聴

最高語音明瞭度は80dBにて80%(80dBの音量で語音聴取が80%の正解率で限界)

通常会話レベルの音量では40%程度まで低下



使用している補聴器はRICタイプと呼ばれる耳かけ型補聴器

このような形状のもの(実際のものとは異なります)
RIC

早速、どのような調整になっているか確認してみました。

それがコチラ

調整前

黒く太い線が会話レベルの音量での補聴器出力を表します。

1kHz付近での出力が75dB程度なのに対し、500Hz(低音域)の出力が90dB程度とかなり大きくなっています。

聴力に対して全体出力が足りておらず、なおかつ低音域が強調されてだいぶ、"くぐもった"ような聞こえ方になっておりました。

どのような意図をもって、このような調整にたどり着いたのかは不明ですが、購入後3年たってこれでは少々お客様がかわいそうです。

なにしろ60万も払ったとのことですから・・・・・



さらには耳栓も既成の耳栓
イヤチップ
このような形状の物

中等度難聴以上の場合、このような既成の耳栓を使用するよりも、
しっかり自身の耳穴の形に合ったオーダーメイドの耳栓を使用した方が効果は高くなります。

と言うわけで、今回は耳栓をオーダーメイドで作成することとなりました。

耳栓が出来上がってきたら再度、改めて調整していきますが、
それまでの間、現状の調整では使い物にならないので、仮の調整を施します。
調整後

普通会話レベルの音量にて、概ね80dB前後の出力となり低域に偏ることなく、本来あるべき3kHz付近にピークをもってきました。

だいぶ聞こえ方がスッキリしてきました。

あとは耳栓が出来上がってきた段階で、仕上げの調整をしていきます。


補聴器は"どこで買うかを考えるより、誰から買うのか"

そこを大事に考えて頂きたいです

認定技能者資格を持った専門の技能者から、

失敗しないためにも、覚えておいてください。

この記事を書いたプロ

一寸木国博

「聞こえ」の悩み改善をお手伝いする認定補聴器技能者

一寸木国博(補聴器プラザ小田原)

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