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コラム
補聴器は店選びが一番大事かも?
2020年1月7日 公開 / 2021年1月27日更新
これまで、補聴器の種類についてや補聴器の選び方、最新補聴器の機能についてなど、様々な話をしてきました。
しかし、補聴器の購入を考えるときに最も大切なことは「入り口を間違えない事」。
これに尽きるなと最近感じています。
昨日、今日と2日間続いて他店で購入した補聴器の相談を受けました。
1人目は、2年半前に購入した補聴器の相談。
ここのところ調子が悪く、しばらくは全く音も出なかったとのこと。
しかし、当店に持ってこられた時には正常に機能していました。
購入した店に相談したところ、「これはもうダメだ、買い替えた方が良い。」と言われ、
新しい補聴器の試聴貸出を受けたようでした。
しかし、買ってまだ2年半ですから納得いかずに当店に相談に来られたのでした。
結論から言うと、その補聴器は確かに調子が悪いのでしょうが、
ウチに来た時には機能していましたので完全にダメというのはおかしい。
さらには購入後2年半ですから、まずは修理を検討すべきですよね。
そして、この方は障がい手帳持ちでしたが、これまで助成金の申請は一度もしていない。
申請すれば、いくらかの助成金が交付されたはずなのに・・・・
販売するチャンスとばかりに、獲物を狙うハイエナのような連中ですね。
チェーン店展開しているような店だったり、雇われた店員しかいない店で比較的多く起こりがちな事例。
経営者が数字でしか社員を判断していないことが見え見え。
だから社員は売り上げを向上させることで頭がいっぱい。
それなら独立店舗なら安全かと言えば、そもそも上記のような会社の経営者だったら
自分1人で店を出しても、きっと同じようなことになるでしょうね。
続いて2人目の事例。
8年前から補聴器を使用しており、現在は2台目のもの使用中の方。
初めてのとき、2台目の補聴器、それぞれ別の補聴器店で購入したそうです。
2台目の補聴器は購入して2年ほど。
よく聞こえないからとのことで相談に来られました。
購入店でも調整はしていたそうですが、確認してみると測定した聴力と比較して
明らかに出力不足、これでは宝の持ち腐れだろうと思われました。
考えられる原因は、前回購入店での聴力測定がそもそも正しくないのか、
あまり調整に熱心ではなかったのか・・・
この方は、当店の測定を経験して「これまでこんな測定したことがない、初めてだ。」
との感想でした。
これまで2件の補聴器店で購入してきて、まともな測定を受けてきていないということですね。
どちらの事例も大変憂慮すべき内容なのですが、残念なことに非常に多く見かける事例なのです。
私は独立開業してもうすぐ3年になりますが、毎月1~2件このような事例に遭遇します。
これは日本国内の補聴器販売が、何ら法規制もなく(実際には規制はあるが緩すぎる)、
上記のような販売が野放しになっていることが真因。
資格がなくても販売できてしまうことが問題なのです。
せめて、資格の有無だけは確認の上で店を選択して下さい。
補聴器は専門性の高い医療機器です。
開業医をしてらっしゃる多くの先生方は、患者さんからの評判を非常に気にされていると思います。
診察を受ける皆さんも、ドクターの評判や人柄が医院を選択する際の重要な手掛かりとなっているでしょう。
それは開業医は単なる物売りではないからですよね。
補聴器も「モノ」を買うと考えずに、聞こえの悩みを共に改善するパートナーを選ぶと考えて、
是非慎重になさってください。
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