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コラム
聴力測定は何種類のものを実施しましたか?
2019年2月1日 公開 / 2021年1月27日更新
皆さんは聴力測定を受けた事はありますか?
会社にお勤めの方であれば、年に1度の健康診断で受けた事があるでしょう。
ヘッドフォンから「ピーピー」と聞こえたらボタンを押す検査ですね。
実は、聴力測定にはまだまだ多くの種類の検査が存在します。
まずさきほどのピーピー聞こえたら押す検査ですが、健康診断ではそれほど詳細には測定しません。
補聴器を検討する場合はもっと詳細に測定します。
左右それぞれ、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHzの聴力を測定します。
健康診断では、低い音、高い音の2種類程度しか測定せず、しかもどの程度で聞こえ始めるか、ではなく
一定レベルの音が聞こえるか、聞こえないか、だけを見ていますので、どの程度聞こえが低下しているかまでは分かりません。
補聴器を購入する時、何種類の測定をしましたか?
さきほどのピーピー聞こえたら押す測定だけですか?
それで補聴器を買ってしまったら・・失敗して後悔するリスクがあります。
しかし、多くの補聴器販売店で、この測定だけで売られてしまっている現状があります。
補聴器購入時の聴力測定は、まず3種類あると覚えておいてください。
これはオージオグラムといって聴力を表した図ですが、この中に「×」や「△」もしくは「○」で結ばれた線がヘッドフォンからピーピー聞こえたら押す検査の結果を表しています。
これを純音聴力測定と呼びます。
さらに、コの字のような記号もありますね。
これはヘッドフォンではなく、耳の後ろの骨に「振動板」を当てて測定するものです。
「骨導聴力測定」といいます。
これは、鼓膜を介さずに直接内耳で感じ取る聞こえを測定しています。
ヘッドフォンからの聞こえは低下していたのに、こちらの骨導の聞こえは低下していない・・・というケースもあります。
この場合、鼓膜や耳小骨などの中耳までの経路に何らかの障害があり、内耳機能は問題ないことも。
そうなると、補聴器を購入するよりまずは耳鼻科医に診てもらう必要があるのです。
どうでしょうか?
これでも1種類の測定だけで、あなたは補聴器を購入しますか?
骨導聴力の測定には雑音負荷が必要
何のことだろう?・・雑音負荷って何だろう?
疑問に思いましたよね?
骨導聴力を測る際は注意が必要で、右を測る際は左耳に雑音を、左を測る際は右に雑音を聞かせて、常に反対側の耳の聞こえを邪魔しておかないとなりません。
それはなぜか?
骨導聴力とは、骨を振動が伝わって聞こえるものです。
つまり、右耳の後ろの骨を振動させても、その振動は反対の左耳にも届いてしまうのですね。
そうなると、どちらの耳で聞いているのか分からない、ということになってしまいます。
なので、反対側の耳に雑音を聞かせて、勘違いしてボタンを押さないようにします。
この時の雑音の大きさも、その耳の聴力レベルに合わせて調整する必要があり、これには知識が必要です。
ただ雑音を入れれば良い、というわけにはいきません。
ヘッドフォンでの測定でも雑音負荷が必要なケース
先ほどの聴力図ですが、2本の線がだいぶ離れているのが分かります。
これは、左右の聴力に開きがあることを意味します。
この場合、悪い方の耳を測定する際はどうしても測定音が大きくなりますね?
そうすると、良い方の耳に聞こえてしまうことは想像できると思います。
それを防ぐために、良い方の耳に雑音を負荷してマスキングします。
どれだけの左右差でマスキングが必要となるか、またどれだけの音量の雑音でマスキングするのか?
これらの計算は、それなりの知識を必要とします。
どうでしょうか。
既に補聴器を購入したことのある方、このような点を気にされたことはあったでしょうか?
安易に買ってしまうと失敗するリスクが高いことがお分かりいただけると思います。
音は聞こえるけど、言葉の内容が分からない?
良く聞く話です。
最後にもう1種類、「語音明瞭度測定」と言う検査があります。
これは、言葉の聞き分け能力をみるものです。
一定の音量で、あ・さ・は・・・などの語音を1音づつ20個聞いて頂き、どれだけ正解できるかを測ります。
このようなグラフで表します。
40dB・・ささやき声レベルでは左右とも10%しか正確に聞き取れなかった。
90dBで7割~8割程度まで正確に聞き分けることができた。
このようなことが分かります。
今回の例の結果であれば、補聴器で90dBくらいまで会話を増幅してあげたら、8割くらいまで改善することが予見できるわけですね。
さて、このように補聴器購入前の測定は大まかに3種類あることが分かって頂けましたでしょうか?
安い買い物ではありませんので、後悔しないように「純音聴力測定」・「骨導聴力測定」・「語音聴力測定」そして状況により「雑音負荷」しての測定があることを覚えておきましょう。
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