人の幸せを喜ぶと自分も幸せになれる
私が主管するゴルフスクールに通ってくださるお客さまが、先日こんな話をされました。
「遠方に住む私の友人が、130を叩いたのがショックでゴルフを辞めてしまいました。
友人がゴルフを辞めてしまうのはとても寂しいです・・」と。
しかも、そのご友人は地元で長くレッスンに通い、とても熱心に練習されていたとのこと。
この話を聞いて、ゴルフに携わる者として寂しいなと感じるとともに、もしその方をレッスンしていた指導者に、モチベーションを高める(もしくは、維持する)指導スキルがあれば、その方はゴルフを辞めなくて済んだかもしれないのにと、とても残念な気持ちにもなりました。
ゴルフに限らず、モチベーション(=やる気)は、物事の成果や継続する力に大きく影響します。
趣味やスポーツに対するモチベーションが高いほど仕事や家事を効率よくこなそうとしたり、それらが適度なリフレッシュにもなり、結果、すべてに良い循環をもたらすことが多いでしょう。
難しいのは、それを維持し続けることです。
冒頭の例のように、モチベーションはささいな事が原因で一瞬にして下がってしまうからです。
モチベーションを維持・向上させるためにはどんな工夫をするといいのでしょうか。
これから数回に渡り、ゴルフにも仕事にも役立つモチベーションについて考えてみましょう。
楽しむことでモチベーションを継続しよう
かつて野村総合研究所が出版した「モチベーション企業の研究」(2008年)によると、次世代を担う若手社員(当時の20代・30代)は、上の世代と比較して仕事に関する5つの欲求が強いと示しました。その5つの欲求とは・・
[1]意味欲求
[2]成長・向上欲求
[3]創造性発揮欲求
[4]承認欲求
[5]自己実現欲求
この5つが仕事環境の中で満たされないとモチベーション不全が起こり、個人の生産性が落ちるというものです。
対象とされた若手社員もキャリアを積んでいれば現在は管理職、はたして、会社の中で創造性豊かなチームづくりに貢献できているのか、自己実現が叶っているのかは興味がありますが、この5大欲求は今こそ、働く人全員のモチベーション・テーマだといってもよいと思います。
これらをゴルフに当てはめながら1つずつ見ていくことにしましょう。
[1]意味欲求を満たす
「この仕事に意味はあるのか」という疑問に「とにかくやれ」と押し付けるだけでは、その質問者のモチベーションは下がるだけでしょう。
「何のために」というゴールラインがあれば取り組みやすくなり、それがモチベーションになります。
私が主管するゴルフスクールでは、ゴルフフィットネスという運動プログラムで体づくりをしますが、その必要性をお客さまに理解・納得していただくことは大切なことだと考えています。
理解・納得いただいたお客さまは、こちらが指示しなくとも練習前やラウンド前には、率先してゴルフフィットネスを実践されるようになります。
スイングがスムーズになったり、ケガのリスクが下がったり、体の調子が整ったりするなど幾つもの効果をお客さまご自身が実感されているからでしょう。
読者のみなさまは、そもそも“何のために”ゴルフや、その他の趣味・スポーツをしていますか。
取引先との付き合い、もしくは上司に誘われて仕方なく・・という人もいるとは思いますが、それだと長続きはしないでしょう。
多くの人は“楽しみたい”からではないでしょうか。
この「楽しい」という感情は自主性の原動力であり、モチベーションの維持・向上には欠かせません。
何事も楽しくなければ、それを続けることが難しくなるからです。
では次回は、「成長・向上欲求」について考えてみたいと思います。
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