一生懸命を楽しもう!

小森剛

小森剛

テーマ:ゴルフ上達法

レッスンの現場において、ミスショットをした人に「今何を考えましたか?」と尋ねると、次のような答えが返ってくることがあります。

「ちゃんと当てなきゃ‥と考えた」
「飛ばしてやろう‥ということが頭をよぎった」
「曲げてはいけない‥と思ってしまった」
「トップしてはいけない‥と考えた」などなど‥

■「結果エントリー」とは?

これらはすべて共通項があります。それは、すべて「結果を考えてしまっている」ということです。
結果を意識し、結果に捉われてしまうことを「結果エントリー」といいます。
実はこの結果エントリーは曲者です。ゴルフに限らず、何事も「結果エントリー」は、物事のパフォーマンスを落としてしまいます。

その理由は2つあります。ひとつは、「結果」は未来であり、心が未来に飛ぶと平常心を失い、不安定な心の状態になってしまうからです。
不安定な心の状態とは、良くない結果に対する「恐怖心」や「不安感」から、平常心が保てない状態です。
良い結果を必要以上に期待したり、良い結果を出さなければと義務感にかられたりしても、平常心は保てません。

平常心を失い、心が不安定になると、ゴルフをはじめスポーツでは肩や腕にチカラが入り、筋肉が硬直してしまいます。筋肉が硬直すると関節がスムーズに動かせなくなり、いつも出来ているプレーが出来なくなります。
仕事や試験では、心が不安定になることで思考力が低下し、実力が発揮できなくなります。

■一生懸命を楽しもう!

結果エントリーが、物事のパフォーマンスを下げるもうひとつの理由は、「結果は自分だけではコントロールできない」からです。
どんなに最高のスイングをし、どんなにベストショットを放っても、突風が吹いてボールが流されてしまうこともあるでしょう。ナイスショットを打ち、思い通りの場所にボールが落とせても、たまたま落ちたところに石ころがあり、それに当たってイレギュラーな方向に跳ねてしまうことだってあるわけです。
つまり、「結果」はマルチファクトリアル(多因子)であり、自分の力ではどうしようもない“不可抗力”で決まってしまうこともあるのです。

もちろん、ナイスショットを打ったにもかかわらず、結果が伴わなければ気分は落ち込みますが、そのことばかりに捉われていると、次のショットにも影響が出て、ミスショットを連発してしまいます。そして、気づいてみると本来の実力が発揮できずにラウンドが終わってしまうといった結果になるのです。

ではどうすればよいのでしょうか?
自身が持っている最高のパフォーマンスを発揮するには、結果に捉われず、今やるべきことに集中し、そのことを楽しむ、つまり「一生懸命を楽しむ」という思考が大切になります。
そして「一生懸命を楽しむ」ことで、潜在能力が最大限に引き出され、パフォーマンスが向上し、結果がついてくるのです。

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小森剛
専門家

小森剛(スポーツインストラクター)

有限会社ゴルフハウス湘南

一般ゴルファーへのレッスンのみならず、ゴルフ指導者への指導やゴルフスクール経営支援、セミナーでの講演やゴルフ雑誌への連載執筆など幅広く活躍。またゴルフ以外のスポーツ選手のコンディショニング指導も行う。

小森剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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