ミスショット撲滅法⑦ 「デキル人ほど歩くのが速い理由」

小森剛

小森剛

初心者にありがちなことですが、自分が打つ番になっても気づかずボーとしている人がいます。「○○さんの番ですよ!」といわれて慌ててアドレスに入る、といった具合です。この場合、まず間違いなくミスします。
このコラムの第1回で「前始末」は大切であるとお伝えしましたが、この「前始末」をしっかりしておくには、そのための「時間をつくる」ことが必要です。

ゴルフのすべてのショットは、「イメージする」「決断する」「実行する」の3つのステップを踏んで行われます。この「イメージする」にあたって必要なことは「情報収集」です。
ピンまでの距離、地形の高低差、風、ボールのライなど、ありとあらゆる情報を入手し、現状から自分でできる実現可能なイメージを描くわけです。
「○○さんの番」といわれて慌ててアドレスに入る人は、情報収集し、イメージし、決断する時間がとれず、いきなり「実行」に入るので、まぐれ当たりでもない限り良い結果は生まれないのです。

必要な時間をつくりだすには、ゴルフのプレーの進め方が重要になります。
プロのトーナメントを見に行かれた人は、プロの歩く速さに驚かれた方は少なくないと思います。速く歩くことで目的地点に早く到達でき、情報収集したりイメージしたりする時間がしっかり確保されるのです。

ビジネスの世界でも、優れたビジネスパーソンほど、歩くのが速いものです。
また多くの企業は、新入社員に「巧遅拙速」を教育します。「巧遅拙速」とは、孫子の兵法のひとつで「巧遅は拙速に如かず」の略で、上手で遅いよりも下手でも速い方が良い、という教えです。つまり、あれこれ考えず、失敗してもいいから早く行動する方が評価される、ということです。

ゴルフの話に戻しますが、スロープレーは他人に迷惑をかけるので厳禁です。そして速いプレーは自分自身のベストゴルフを実現するために大切なのです。
時間はすべての人に平等に与えられています。平等に与えられている時間を有効に使い、自分に有益な時間をできるだけ多く創りだすことは、より密度の濃い人生を送るコツのようにも思います。

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小森剛
専門家

小森剛(スポーツインストラクター)

有限会社ゴルフハウス湘南

一般ゴルファーへのレッスンのみならず、ゴルフ指導者への指導やゴルフスクール経営支援、セミナーでの講演やゴルフ雑誌への連載執筆など幅広く活躍。またゴルフ以外のスポーツ選手のコンディショニング指導も行う。

小森剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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