雑然とした倉庫から、現場のやる気と利益がこぼれる──食品製造業・在庫管理の再生支援事例(家族経営の経理コーチング⑰)
補助金やDXは、向き合い方さえ間違えなければ強力な味方になります。その第一歩は、難しい分析ではなく“足元を見る”こと。最終回では、後継ぎのあなたが無理なく取り組める、4つのやさしい方法をご紹介します。
① 「現場の一日」を思い返す
紙もPCも不要。
頭の中で一日の流れをなぞってみるだけで十分です。
- 朝は何から始まる?
- 誰が判断している?
- どこが止まりやすい?
② 業務の“前後関係”を確認する
受注 → 出荷 → 請求 → 入金
この前後を見るだけで、“詰まり”が見えてきます。
③ 困り事を「1つだけ」書き出す
- 月末が忙しい
- 在庫が合わない
- 受注方法が揺れる
1つだけでいい。“なぜだろう”と考えるだけで準備になります。
④ 「人の判断ポイント」を見つける
ここがDX成功の鍵。
- 社長が判断している場所
- ベテランが担っている作業
- 固有の段取り
- 口頭指示で成り立つ仕事
ここが見えると、
システム化すべき場所/すべきでない場所が分かります。
おわりに
後継ぎであるあなたが、
現場と経営の“つながり”を見ようとしていること。
それこそが、補助金でもDXでも買えない
最も大切な準備です。
焦って変えなくて大丈夫。
あなたのペースで一歩ずつ進めれば、
会社の未来は必ず軽く、明るいものになります。



