補助金とDXの前に ― 家族経営がまず整えるべきこと① “追い風のいま”こそ立ち止まる理由”

平岡誠司

平岡誠司

テーマ:経営のモヤモヤをワクワクに(しごと編)

政府の2025年補正予算では、中小企業への支援が大幅に拡充されました。成長投資・省力化設備・デジタル化・AI導入…。後継ぎにとっては「動くなら今なのでは?」と感じる場面も増えます。しかし、実は“追い風のいま”こそ、一度立ち止まり、足元を見ることがもっとも大事です。今回はその理由からお話しします。

国は“攻めの中小企業支援”に舵を切った

  • 成長加速化補助金
  • 設備・省力化投資支援
  • デジタル化・AI導入支援
  • 賃上げ促進支援
  • 事業再構築・承継支援

こうした支援は、
「中小企業にもっと伸びてほしい」
というメッセージにほかなりません。

後継ぎであれば、
「うちもそろそろ動かないと遅れてしまう」
という焦りが出るのも当然です。

焦って動くほど、実は失敗のリスクが高まる

補助金やDX支援の情報が増えると、
「システムを変えよう」「新しい仕組みを取り入れよう」
という気持ちが自然に出てきます。

しかし、家族経営の現場は
“人の感覚と経験でつながっている”ため、
大きな変化が起きると混乱しやすい特徴があります。

たとえば、

  • 口頭指示
  • 手書きメモ
  • ベテランの段取り
  • 家族同士の暗黙の分担
  • 月末の“気合いで乗り切る”文化

これらの上に会社が成り立っています。

この状態で新システムを導入すると、

  • 段取りが崩れる
  • 情報の渡し方が変わり混乱
  • 操作の“自己流”が増える
  • 結果、紙やExcelに戻る

ということが起きやすくなります。

だからこそ「変える前に、見つめなおす」ことが必要

補助金が増えた“いま”こそ、
あわてて変えるのではなく、
現場がどんな流れで動いているかを知ることが重要です。

次回は、
「なぜ家族経営はDXが難しいのか?」
現場特有の構造を深堀りしていきます。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

平岡誠司
専門家

平岡誠司(小規模事業者向け経営支援家)

株式会社平岡商店

経営者の実践経験を活かし、経理の見える化・日繰り・在庫管理を軸に、家族経営の経営管理の仕組みづくりを実行支援します。現場の気づきを経営判断につなげ、“らしさ”をいかした経営を一緒に育てていきます。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

小規模事業者の“頼れる世話役”的経営コンサルタント

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神奈川
  3. 神奈川のビジネス
  4. 神奈川の経営改善・資金繰り
  5. 平岡誠司
  6. コラム一覧
  7. 補助金とDXの前に ― 家族経営がまず整えるべきこと① “追い風のいま”こそ立ち止まる理由”

平岡誠司プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼