日繰りは家計簿と同じ。 ー家族経営の冬に効く“やさしい3つの書き方(日繰りで整える、家族経営の台所(第2回))

平岡誠司

平岡誠司

テーマ:経営のモヤモヤをワクワクに(おかね編)

家計簿感覚でできる、冬の資金繰り。 ― 日繰りで整える、家族経営の台所(第2回)

冬の資金繰りは、「もっとちゃんと管理しなければ」という気持ちが強くなり、どうしても気持ちばかりが先へ走ってしまいます。

しかし、日繰りは“管理する道具”ではありません。

見えるようにするだけで十分という、とてもやさしい道具です。

そして書き方は、家計簿とほとんど同じ。
専門知識は必要なく、台所で家計簿をつける感覚で気軽に始められます。

冬の資金繰りを軽くするために、まずは3つだけ覚えておけば大丈夫です。

1. 今日のお金を「一行」だけ書く


日繰りは難しいものではありません。
書く内容は、次の3つだけです。

・きょう入ったお金(はいる)
・きょう出たお金(でる)
・今日の残り(のこる)

この3つを一行で書くだけで、お金の動きの流れが見えてきます。

細かい分類や簿記の知識は不要です。
大切なのは、「今日どう動いたか」が分かること。

これだけで、冬の不安は半分ほど軽くなります。

2. 分類は「ざっくり」でいい


日繰りを書く際に、科目を正確に分けようとすると続きません。

むしろ家計簿と同じく、ざっくりで十分です。

例としては次のようなイメージです。

・売上(はいる)
・仕入れ・経費(つかう)
・家計からの補助(かりる)
・家計への戻し(かえす)

この程度で何も問題ありません。

目的は、正確さではなく「見えること」。
数字を整えるのではなく、流れをつかむための記録です。

3. 家族で共有すると「意味が変わる」


日繰りは記録ですが、本当の力は共有したときに発揮されます。

・今の残高がどれくらいか
・どこにお金が流れているか
・冬のどこが苦しくなりそうか
・どの支払いを優先すべきか

家族で同じページや画面を見ながら話すと、自然と「次の一歩」がそろいます。

特に冬は、忙しさや不安で気持ちがばらけやすい季節です。
だからこそ、日繰りという小さな家計簿が家族経営を静かに整えてくれます。

ノートでも、Excelでも、一枚あれば十分です。

日繰りの目的は「管理」ではなく「安心」


冬の資金繰りの不安は、「わからない」から生まれます。

日繰りは、その「わからない」を「見える」に変える道具です。
ただそれだけで、冬の不安は驚くほど軽くなります。

一行で書く。
ざっくりでいい。
家族で共有する。

この3つさえあれば、台所の家計簿と同じように無理なく続けられます。

書き方の詳細は、平岡商店サイトのまとめ記事で紹介しています

どこに書けばよいか、どの形式が続けやすいか、Excelとノートの違いなど、

具体的な工夫は平岡商店サイトのまとめ記事「経理をワクワクに」で詳しく整理しています。

「読んでみたけど分からない」「これで合っているのか不安」な場合は、お問い合わせページからご連絡ください


この連載では、考え方と向き合い方に焦点を置いてお届けし、実務的な書き方はまとめページで確認できるようにしています。

次回(第3回)予告

混ざっても大丈夫。―家族経営の“冬のやりくり”を日繰りで整える

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平岡誠司
専門家

平岡誠司(小規模事業者向け経営支援家)

株式会社平岡商店

経営者の実践経験を活かし、経理の見える化・日繰り・在庫管理を軸に、家族経営の経営管理の仕組みづくりを実行支援します。現場の気づきを経営判断につなげ、“らしさ”をいかした経営を一緒に育てていきます。

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