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介護事業の経理はとても複雑です。経理処理の負担を軽減するためには、会計ソフトの使用をおすすめします。価格も機能もさまざまなものが市販されていますが、費用対効果や税理士・会計事務所とのやりとりなどを考えると、やはり介護会計用に開発されたものが優れています。
<介護事業には介護向けソフト>
これまで3回にわたり介護会計について解説してきました。特殊な会計基準を用いなければならない介護事業の経理処理は、複雑で面倒です。経理以外の業務をこなしながら、きちんと経理処理を行うのは現実的には厳しいので、経理処理をできるだけ簡単に行うためにも、会計ソフトの使用をおすすめします。
会計ソフトには一般的な業種の会計方式に合わせたものがある一方で、病院のように特殊な業種の会計基準に対応させたソフトもあります。
近年は上場企業が使用するソフトは、国際会計基準(IFRS)に対応していることが大切な条件となっています。既成のソフトでは対応できない企業のなかには、自社の会計用にカスタマイズしたソフトを使用しているところもあります。
では、介護事業者はどんなソフトを選べばいいのでしょうか?
介護事業にはやはり、介護事業者向けに開発された会計ソフトを利用することをおすすめします。面倒な経理の手間を省くために役立ち、コストパフォーマンスの面でも優れているからです。
一般企業向けの会計ソフトは、特殊な会計基準に則った介護会計の処理には適していません。また、ソフトのカスタマイズは非常に高価で、開発依頼そのものが事業者の負担になりかねません。
あまりおすすめしませんが、汎用の会計ソフトを使いたいという場合は、部門設定が可能かどうか必ずチェックしてください。部門設定ができないと経理処理にかなり時間がかかってしまい、会計ソフトを使用しているメリットがありません。
会計ソフトを選ぶポイントは?
介護ビジネスは今後の伸びが期待される業界のひとつなので、介護事業者向けのさまざまな会計ソフトが開発・市販されています。そのため、「どれを選べばいいのかわからない」という方も多いでしょう。そこで、会計ソフトを選ぶ際の大事な5つのチェックポイントについて解説します。
【ポイント1】
ASPタイプかパッケージタイプか
会計ソフトには、ASP型とパッケージ型の2タイプがあります。ASP型はクラウド型ともいわれ、パソコンにソフトをインストールすることなく、インターネット経由で収支の処理や記録を行います。
パッケージ型はCD-ROMなどを使ってパソコンにアプリケーションをインストールして、パソコン上で処理を行います。
ASP型のメリットは、介護保険法の改正や報酬改定に伴うアップデートに迅速に対応できるということです。
ただし、ストレスなく使用するためには高速インターネットの環境が必要です。また、オンライン上での情報漏えいの心配があります。
パッケージ型はアップデートに迅速に対応するのが難しく、バージョンアップに料金が伴うこともあります。しかしインターネット環境は不要で、ネットを経由した情報漏えいの心配は低いといえます。
【ポイント2】
大手ソフトウェアメーカーの製品にするべきか
面倒な経理処理の省力化につながる十分な機能を備えていること、コストパフォーマンスが高いことは、よい介護ソフトの必須条件です。
大手ソフトウェアメーカーの製品は、価格的に高いものもありますが、介護事業にしっかりフィットした開発が行われており、機能面では問題ないものがほとんどです。「納品依頼書」「引取依頼書」「発注書」といった書類の作成・印刷機能や、口座振替とのリンクによる集金業務機能は、面倒な経理処理にはなくてはならない機能です。
【ポイント3】
サポート体制はしっかりしているか
会計ソフトを導入・使用する際には、必ずといっていいほど「入力できない」「操作法がわからない」といった事態が発生します。何らかの問題が生じて、ソフトがうまく動かないというケースもあります。
こういう時、速やかに対応してくれるソフト会社でないと、業務に支障がでるおそれがあります。困りごとへの対応を受けつけるのは電話なのかメールなのか、日曜・祝日や夜間などにも対応できるのかなど、サポート体制は厳しくチェックしておきましょう。
【ポイント4】
税理士が使用しているものと同じにするべきか
介護会計を受け持つ税理士の多くは会計ソフトを使用しています。データのやりとりなどを問題なく行うためには、同じシリーズの会計ソフトを選ぶことをおすすめします。
また、同じソフトを使用することで、画面の操作性を確かめることができ、サポート体制などについても税理士からユーザーとしての感想を聞くことも可能です。操作法などでわからないことがある場合も、気軽に聞くことができるのも、同じソフトを使用する大きなメリットです。
【ポイント5】
サービス内容に合っているか
上記の基本的なチェックポイントに加えて、サービスの種類に適した機能を備えているかどうかについてもしっかり確認しましょう。
例えば、居宅介護支援、訪問介護など、利用者の居宅を訪ねる業種なら、訪問先でも経理処理が行えるようにタブレット端末やスマートフォンでも使用できるものが理想です。タブレット端末は、利用者の健康状態、ケアの記録を保存したり、これまでの記録を検索したりする際も便利です。