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まずなにをすればいい? 土地を相続したときに必要な手続きとは

太田英之

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テーマ:相続

土地や不動産の取引は、不動産業界に勤めていない限り、人生でそう何度も行うことはありません。住宅購入は最たる例だと思いますが、こうした際の手続きも司法書士が行いますので、どのような手続きをするのか知らないままで終わる人がほとんどです。
そのため、相続などで実家の土地を引き継いだ人から「何をすればいいのかわからない」ということで相談を受けることもあります。
そこで、今回は土地を相続した時の手続きについてご説明します。

土地の相続登記の流れ

土地に関しては、この土地は誰のものであるのかを示す登記という制度があります。土地というものは代替がきかず、かつ高額なため、誰のものであるのかわからないと大きなトラブルに発展する可能性があります。
そのため、名義人のその土地に関する権利を保護するために、法務局に誰のものであるのかを登記します。

相続によって土地が対象となった場合には、遺産分割協議によって、誰が土地を受けつぐのか決めなければなりません。
そして、協議によって決定した内容に従って登記の名義を書き換える必要があります。この時には、相続登記の申請書類や相続人全員の戸籍謄本、被相続人の戸籍謄本など数多くの書類を用意することになります。

書類が用意できたら法務局に行って書類を提出し、相続登記にかかる費用を支払って、名義を書き換えます。手続きから1~2週間たつと新しい土地の登記識別情報通知が発行され、これで相続登記手続きは完了したことになります。

土地の登記変更を放置することによるデメリット

この土地の登記変更については、変更を怠ったとしても特に罰則はありません。また、名義変更は煩雑な手続きや決して少なくない費用や手間がかかるため、変更しないでそのまま放置するケースも実は珍しくありません。
「だったら、うちもこのままでいいや」と思ったかも知れませんが、ちょっと待ってください。書き換えを怠ると、後々、とんでもないトラブルに巻き込まれる可能性があるのです。

相続した土地を売却する際には、やはり名義変更が必要になります。購入する側からすれば、登記によって自分の土地への権利を保護してもらおうと期待します。しかし、その土地の名義人は故人であり、売却は別の人物。こうした際には、そのままでは登記の名義変更はできません。そのため、土地売却を考えていても有利なタイミングで売却できない可能性もあります。

相続税の計算方法

相続税の対象となる財産には、不動産も含まれます。土地を含むすべての財産の額が決まれば、次に算式で計算できます。

「(全ての財産額-基礎控除額)×税率=相続税額」です。
基礎控除額は、「3000万円+(600万円×相続人数)」で計算されます。

そのため、1億円の財産を1人で相続すると仮定したら
「1億円-(3000万円+600万×1)×30%=1220万円になります。
※税率に関しては、相続税の税率一覧表を参照してください。

結構な金額になることがわかります。
被相続人の財産で預貯金が多いのならばいいのですが、土地が相続税の対象の金額を押し上げている場合、「相続税を払うために土地を売らなければならない」という事態が発生してしまう可能性もあります。

しかし、受け継いだ家・土地を処分することで、住む場所や事業所を失うといった日常生活に支障をきたす恐れもあります。こうした事態を防ぐために、土地にかかる相続税を軽減する特例があります。

相続税を下げる特例

その特例とは、小規模宅地の特例です。この特例は。「特定事業用宅地等」「特定居住用宅地等」など4種類に該当する宅地で、一定の面積以下の土地であれば、相続税の申告期限まで所有していることなどの条件を満たせば、50%ないし80%の相続税の減税をしてもらえる特例です。

それぞれで要件が異なりますので確認が必要になりますが、こうした大幅な減税が行われるならば、相続税のために家・土地を手放さないといけないという事態はあらかた防げるのではないかと思います。

相続では思わぬ事態が数多く発生します。また、「財産なんてないから相続税なんて関係ない」と思っていても、「土地代を含めると高額な相続税を課せられた」ということも珍しくはありません。

土地に関する相続では名義変更などの手続きがあり、労力がかかります。こういった手続きは司法書士が行うことができますので、司法書士にご相談されることをおすすめします。

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太田英之
専門家

太田英之(司法書士)

クローバー司法書士事務所

不動産登記・商業登記申請業務をはじめ、相続・遺産承継業務に力を入れる。後見制度や信託制度に関する知識・経験も豊富。会社や個人からの相談を親身に聞き、法的課題を整理、解決策を提案するスキルに強みをもつ。

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