木材の適材適所
古民家の耐震診断
年末に実施しました古民家の耐震診断の様子をお話しします。
先ず、古民家とは50年以上前に建てられた建物を言いますが、
今回の古民家は約200年程前に建てられた、お寺の庫裏です。
当然ながら柱の下には、コンクリート製の基礎はなく、長石や石の上に直接柱を建ててあります。
いわゆる「伝統構法」で建てられた建物です。
今行われている「耐震診断」は、コンクリート製の基礎の上に土台を敷き、その上に柱を立てる
木造軸組工法で建てた建物しか対応が出来ません。
今回は香川県でも初めての試みで「早稲田式動的耐震診断」を行いました。
敷地の微振動と建物の微振動を測定して、その建物の持つ固有振動を測定します。
その固有振動での特徴を解析して、建物の安全性のレベルを割り出します。
今回の測定時には、床や天井また一部の土壁も壊して、ほとんど柱と一部の土壁の
状態で測定しました。
地震の耐力を持たす土壁も壊してましたから、「測定結果は悪いだろう」と思っていたところ
測定評価は、「伝統構法本来の揺れを吸収する状態で、地震時の倒壊の恐れが少ない。」
柱だけの状態で、この診断結果に驚きました。
日本古来からの知恵と技術の詰まった、伝統構法で建てられた建物の凄さに改めて
感心すると共に敬意を払いたいと思います。
もっとも、一部の柱の下には白蟻被害や外部に面した水がかりの柱は腐ってなかったりで
柱の抜き換えや補強が必要です。
伝統構法本来の特性を生かして、構造的に補強を行い、更に現代の生活から将来の時代まで
長く愛される建物に生まれ変われる様に・・・
私の経験と職人の技を込めて、難しいけれども楽しい工事です。
「築40年以上の古民家再生、リフォーム専門店」
有限会社 谷野設計
担当者:谷野 行範(タニノ ユキノリ)
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