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谷野行範

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谷野行範(たにのゆきのり)

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コラム

伝統建築が作られなくなった理由-建築基準法の基はアメリカの法律

古民家再生

2015年10月5日 / 2017年3月14日更新

前回は、古民家ってどういう建物のことをいうのか?について
在来工法との違いも交えて書きました。

現在なぜ、伝統建築が作られなくなったのか?について触れたいと思います。

一つには、建築の法律があると思います。
現在の建築基準法は、昭和25年に作られました。
その後、幾多の改正があり現在の建築基準法ができていますが、今後も不具合があれば
改正また追記されて、時代に合わせた法律になってゆきます。

昭和25年といえば、まだ戦後の時代でアメリカのGHQの、統治時代になります。
昭和27年にサンフランシスコ講和条約で、戦後は終わりますが、作られた建築基準法は
アメリカの法律を参考に作られたもので、日本の独特な気候風土には違和感があります。

日本に独特といえば、地震と梅雨時の湿度の問題です。

古来から続く伝統建築は、基礎の上に柱を立てる構法で、地面の揺れを建物に全て伝えない
「半免震構造」の思想を基にして、建物が揺れる際には、壁が壊れることにより「地震力」を
吸収し、地震時には揺れることを許容しています。

現在の基準法では、地面から基礎、建物と一体化して、「地震力に抵抗する」ことを基にして
構造用金物や構造用パネルを使い、建物全体を固める思想です。

1995年の阪神大震災以後、建築基準法の耐震性能の基準を改正し、現行法規に基づき
建てられた建物は、一応安全とされています。
(※一応と書いたのは、建築基準法が最低基準を定める法律なので、人命を助けることを最優先とします。
 そのため、耐震基準の解釈に阪神大震災程度の地震では、建物は壊れても人が避難する時間を稼ぐ
 壊れ方を求める、とする意見もあるからです。)

つまり、日本古来の先人の知恵が詰まった伝統工法は、現在の建築基準法では建てられなくなってしまいました。
それによって、職人さんの技術の継承が途絶えてゆくのは、日本文化の面でも非常に残念なことと思います。

今では、一部の重要文化財や伝統建築物を改修する業者の方々が、私企業の中で継承されるだけとなりました。

次回は、どこに行っても建て替えを勧められる理由職人さんの技術力について書いてみます。

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