坪単価とは?
家づくりを始める前に、自身の生活スタイルから予算を決めることの大切さを前回のコラムでご紹介しました。
私は家の間取り等のプランニングを得意とする設計士でありながら、
何故、家づくりを始める前に、「資金計画」を大切にしているかをお話したいと思います。
問題は「資金計画」の立て方にある
私が自身の家を建てたのは、25歳で結婚まもなくです。
当時の仕事はハウスメーカーの営業をしていました。
家を建てるに当たり、プランや資金計画は会社でお客様に提案しているものと同じもの。
自信を持ってお客様に提案しているのですから、なんの疑いもありませんでした。
無事にマイホームを手に入れ、2人の子供に恵まれ家族四人の新生活が始まりました。
しかし、建てる前に「毎月これくらいなら大丈夫」と思っていたローンの支払いが家計を圧迫。
その後、急な同居が決まり、家計は更に厳しく。。
お恥ずかしい話ですが、子供のパンツさえ買えない時期がありました。
資金計画=返済計画ではない!
当時の私の資金計画は「資金計画=返済計画」だったのです。
資金計画は、決して「家を建てるため」の資金計画ではダメなのです。
このプランの家にはこれだけお金がかかる→そのお金を住宅ローンを利用し、どう支払う
この手順が間違っていると気づいたのは、自身の失敗があってからです。
私は、何の疑いもなく返済計画を資金計画としてご提案していた事を悔やみました。
私と同じように、マイホームを手に入れた後、苦しい思いをした方がいるかもしれません。
正しい資金計画とは?
大切な家族の家を建てるということは、建てた後の皆さんの生活にも責任を持つということだと思っています。
その為には、各ご家庭の家計・ライフプランをしっかり把握した上で予算を組むことが重要。
それこそが本来の資金計画だと考えています。
現在の家計から生活スタイルを把握する→過去の家計から収入・支出の改善点の見直し→将来の家族全員のライフイベントと資金を捻出→家に掛ける予算を算出→土地・建物・諸費用に関しての内訳を算出
夢のマイホームなのに夢がない…面倒くさい・・・
と思われるかもしれません。
確かに、ちょっと頭が痛くなりますね。
でも、心配はいりません。
この手順さえきちんと押さえれば、それから先のプランニングは楽しいものです。
大切なご家族のために、これからマイホームを建てる方が私のような苦い経験をしないように。
お役に立てると幸いです。