子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を94
子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
運動で留意していただきたいのは、子どもという個を中心にまたたいせつにする運動だけが「脳の可塑性」を促進させます。団体やチーム運動には効果はありません。
その子なりにできる運動が「心地よい刺激と楽しい運動」なのです。
また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
この子育ては、胎児から始まります。
それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。
幼児(4歳以上)からは「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。
これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
この取り組みは、すべて最新の脳科学の研究成果を基にするものです。
また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。
54回目の「心地よい刺激と楽しい運動」を解説します。
そして「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が「脳をつくる」を解説します。
また、この脳をつくることが「子育て」になります。
どれもこれも、その子のみの子育てにつながります。
またその子の特性を理解しながら、子育てにつなげていくのです。
「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。
ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
子育てにとても重要なことを述べました。
「運動脳」の解説46
神経発達症(発達障害)のケア
前回の最新の研究である「アストロサイト」に注目し、脳機能疾患の治療法の確立に期待したいと思います。
ただ待っているだけではなく、私たちにこれからもできることがあります。
「アストロサイト」の異常が神経発達症(発達障害)に関わっていることで、今まで述べてきたことにつながりがみえました。
そして、これがやはりケアになると思っています。それは「楽しい、心地よい運動」でした。
前回の米国の研究チームで、脳の発達を助けるホルモンであるインスリン様成長因子(IGF)の遺伝経路を阻害する「IGFBP2」と呼ばれるたんぱく質が発見されました。このたんぱく質で阻害されていないインスリン様成長因子(IGF)を増やすことが、神経発達症(発達障害)のケアになるのではないかと思います。
インスリン様成長因子(IGF)は前にも説明しましたが、活動中の筋肉がさらに多くの燃料を必要とするときに放出されるホルモンです。グルコース(ブドウ糖)は筋肉にとって主要なものですし、脳にとってはこれが唯一のエネルギー源であり、インスリン様成長因子はインスリンと協力して、グルコースを細胞まで運んでいます。脳のエネルギー源であるインスリン様成長因子(IGF)は、学習に関連するはたらきをしています。
インスリン様成長因子(IGF)は、※運動しているときに、BDNF(脳由来神経栄養因子)によってその量を増やします。そして、インスリン様成長因子は神経細胞(ニューロン)を活性化させて、信号を送る神経伝達物質のセロトニンやグルタミン酸を盛んに作らせています。また、インスリン様成長因子はBDNF受容体の生成を促し、神経細胞(ニューロン)の結びつきを強くして記憶を確実なものにしています。BDNF(脳由来神経栄養因子)は、特に長期記憶にとってたいせつなものです。(※運動しているときとは、「楽しい、心地よい運動」という意です。解説済)
では、インスリン様成長因子(IGF)を増やすBDNF(脳由来神経栄養因子)とは何でしょうか。
BDNF(脳由来神経栄養因子)は、シナプスの可塑性を促進さるメカニズムの中心的役割をします。シナプスの可塑性とは、学習を繰り返したシナプスはそのものが大きくなり、結合がより強くなります。そして、神経細胞(ニューロン)の樹状の枝に新しいシナプスが増えたり、新しく枝が出てシナプスを形成したりして、さらに結合を強くします。
BDNF(脳由来神経栄養因子)は、シナプスの近くの貯蔵庫に蓄えられ、血流が盛んになると放出されます。その際に、体内の多くのインスリン様成長因子などのホルモンが招集され、そのプロセスの手助けをします。※運動すると、これらの成長因子が血液や脳関門を通過し、脳内でBDNF(脳由来神経栄養因子)と協力して学習に関わる分子メカニズムを活性化させます。
※運動中は、脳内の幹細胞の分化のはたらきがより顕著になります。さらに重要なのは、こうした因子が身体と脳の直接的なつながりをもっていることなのです。(※運動しているときとは、「楽しい、心地よい運動」という意です。解説済)
インスリン様成長因子(IGF)を増やすように、BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やすことができれば、神経発達症(発達障害)のケアになると思います。
では、前述の「この血流が盛んになるとBDNF(脳由来神経栄養因子)が放出される」とは、どのようなときなのでしょうか。
とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。
次回に続きます。



