子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を11
子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
運動で留意していただきたいのは、子どもという個を中心にまたたいせつにする運動だけが「脳の可塑性」を促進させます。団体やチーム運動には効果はありません。
その子なりにできる運動が「心地よい刺激と楽しい運動」なのです。
また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
この子育ては、胎児から始まります。
それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。
幼児(4歳以上)からは「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。
これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
この取り組みは、すべて最新の脳科学の研究成果を基にするものです。
また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。
49回目の「心地よい刺激と楽しい運動」を解説します。
そして「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が「脳をつくる」を解説します。
また、この脳をつくることが「子育て」になります。
どれもこれも、その子のみの子育てにつながります。
またその子の特性を理解しながら、子育てにつなげていくのです。
「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。
ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
子育てにとても重要なことを述べました。
「運動脳」の解説41
神経細胞(ニューロン)の維持と成長に関わる神経栄養因子2
今回は、前回の続きをご紹介します。
前回、脳の神経栄養因子BDNFはシナプスの近くの貯蔵庫に蓄えられ、血流が盛んになると放出されます。その際に、体内の多くのホルモンが招集され、そのプロセスの手助けをします。ホルモンは、インスリン様成長因子、血管内皮成長因子、線維芽細胞成長因子などです。と説明しました。
インスリン様成長因子は、活動中の筋肉がさらに多くの燃料を必要とするときに放出されるホルモンです。グルコース(ブドウ糖)は筋肉にとって主要なものですし、脳にとってはこれが唯一のエネルギー源であり、インスリン様成長因子はインスリンと協力して、グルコースを細胞まで運んでいます。脳のエネルギー源であるインスリン様成長因子は、学習に関連するはたらきをしています。運動(※ここでいう「運動」は、楽しく、心地よい運動という意です。)している間に、BDNFは脳のインスリン様成長因子の摂取量を増やし、そのインスリン様成長因子は神経細胞(ニューロン)を活性化して、信号を送る神経伝達物質のセロトニンやグルタミン酸を盛んに作らせています。また、インスリン様成長因子はBDNF受容体の生成を促し、神経細胞(ニューロン)の結びつきを強くして記憶を確実なものにしています。BDNFは特に長期記憶にとってたいせつなものです。
これは、人間の進化の過程からみると、理にかなっているものです。私たち人間の営みは、食物を探し、手に入れ、蓄えるためでした。そのために必要な学習能力を身につけてきたのです。学ぶためには燃料が必要であり、燃料源を見つけるには学ぶ必要があります。身体から出される様々な因子のおかげで、このプロセスは保たれ、人間は適応し、生き残ってこられました。
新しい細胞に燃料を送るには、新しい血管が必要です。運動中に筋肉が収縮したときなど、細胞内で酸素が不足すると血管内皮成長因子が身体でも脳でも毛細血管を作り始めます。血管内皮成長因子が神経細胞(ニューロン)新生に欠かせないのは、血液や脳関門の透過性を起こしているからではないかと言われています。運動をすると血管内皮成長因子が関門をこじ開けて、他の因子が脳に入ってこられるようにしているようです。
身体から脳へ送り込まれるもう一つの重要な因子は、線維芽細胞成長因子で、これもインスリン様成長因子や血管内皮成長因子のように運動中に増加し、神経細胞(ニューロン)新生に必要なものです。線維芽細胞成長因子は体内では組織の成長を助け、脳では神経細胞(ニューロン)の長期増強にとってたいせつなはたらきをします。
人間は元来、身体を動かすようにできています。そうすることで脳も動かしているのです。
学習と記憶の能力は、祖先たちが食料を見つけるときに頼った運動機能とともに進化してきました。脳にしてみれば、身体が動かないのであれば、学習をする必要は全くなかったということになります。
とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。
次回に続きます。



